
「NHK音楽祭2012」のテーマは「世界のマエストロ」。すなわち今回の主役は指揮者。ドイツの若き巨匠クリスティアン・ティーレマン、円熟の世界的名指揮者ロリン・マゼール、ロシアのカリスマ、ワレリー・ゲルギエフの3人が登場する。

2010年9月にウィーン国立歌劇場総裁に就任したドミニク・マイヤーが来日し、今秋の同歌劇場日本公演について語った。マイヤーは、パリ・オペラ座総監督、ローザンヌ歌劇場総監督、シャンゼリゼ劇場総支配人などを歴任したアート・マネージメントのエキスパート。
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>>「サロメ」全1幕
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ウィーン国立歌劇場では、年間約300公演を行い、内訳は、オペラが約250公演、バレエが約50公演です。そのほか、スター歌手の歌曲の夕べ、専属のアンサンブル歌手のマチネ・コンサート、オーケストラのメンバーの室内楽シリーズなども行っています。
ウィーン国立歌劇場の日本公演は1980年以来8回目であり、我々にとっても伝統のようなものになっています。ウィーン国立歌劇場が世界の他のオペラハウスと比べて特に誇れるのは、オーケストラの素晴らしさです。オーケストラ・ピットにはウィーン・フィルが入ります(ピットでは『ウィーン国立歌劇場管弦楽団』と呼ばれますが)。

今回の来日公演で《サロメ》を取り上げるのも、オーケストラが最も得意としている演目だからです。オーケストラは、リハーサルなしでも弾けるほど、このオペラを愛しています。もちろん音楽監督であるフランツ・ヴェルザー=メストも《サロメ》を希望しました。彼はリヒャルト・シュトラウスのスペシャリストで、今シーズンは《アラベラ》《影のない女》、来シーズンは《ナクソス島のアリアドネ》(新演出)を指揮します。サロメは、若いグン・ブリット・バークミンが務めます。ヴェルザー=メスト監督が彼女の声を聴き、是非、ということで起用しました。

《フィガロの結婚》は、ジャン=ピエール・ポネルの伝説的演出で、ペーター・シュナイダー指揮です。伯爵夫人は、このたびオーストリア宮廷歌手の称号を受けたバルバラ・フリットリ。かつてウィーン国立歌劇場のアンサンブルにいたことがあり、今でもウィーンでよく歌ってもらっています。伯爵には、カルロス・アルバレスが戻ってきました。フィガロは、人気の高いアーヴィン・シュロット。スザンナは、ハンガリー出身のまだ27歳のアニタ・ハルティッヒです。2年間我々の歌劇場でモーツァルトの諸役を歌い、ウィーンの聴衆から愛されています。

ドニゼッティの《アンナ・ボレーナ》は、昨シーズンの新演出で、そのときがウィーン国立歌劇場での初めての上演でした。不思議なことに、こんな傑作が今まで我々の歌劇場で掛かっていなかったのです。アンナは、エディタ・グルヴェローヴァ。彼女が日本でオペラを歌うのは最後かもしれません。3日前、ウィーン国立歌劇場で、彼女は、歌曲の夕べをひらき、スタンディング・オーベーションの大成功を収め、今でも素晴らしいことを示しました。ジョヴァンナはこの役では今最も必要とされているソニア・ガナッシ。グルヴェローヴァとガナッシの共演する《アンナ・ボレーナ》はまだウィーンでも上演されていません。ウィーンのオペラ・ファンが嫉妬することでしょう。
そのほか、ウィーン国立歌劇場にとって大切な作品である『子どものためのオペラ魔笛』を日本でも上演します。パパゲーノは、我々の歌劇場の日本人歌手、甲斐栄次郎が務めます。
〔文/山田治生〕
公演概要

ウィーン国立歌劇場
▼「サロメ」全1幕
リヒャルト・シュトラウス作曲
10/14(日)〜10/19(金) 東京文化会館大ホール (東京都)
指揮:フランツ・ウェルザー=メスト
演出:ボレスラフ・バルロク
出演(予定):グン=ブリット・バークミン/マルクス・マルカルト/ルドルフ・シャシンク/ヘルベルト・リッペルト/ウィーン国立歌劇場管弦楽団/ウィーン国立歌劇場合唱団
▼「フィガロの結婚」全4幕
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲
10/20(土)〜10/28(日) 神奈川県民ホール 大ホール (神奈川県)
指揮:ペーター・シュナイダー
演出:ジャン=ピエール・ポネル
出演(予定):カルロス・アルバレス/バルバラ・フリットリ/アニタ・ハルティッヒ/アーウィン・シュロット/マルガリータ・グリシュコヴァ/ウィーン国立歌劇場管弦楽団/ウィーン国立歌劇場合唱団
▼「アンナ・ボレーナ」全2幕
ガエターノ・ドニゼッティ作曲
10/27(土)〜11/4(日) 東京文化会館大ホール (東京都)
指揮:エヴェリーノ・ピド
演出:エリック・ジェノヴェーゼ
出演(予定):エディタ・グルベローヴァ/ソニア・ガナッシ/ルカ・ピサローニ/シャルヴァ・ムケリア/エリザベス・クールマン/ウィーン国立歌劇場管弦楽団/ウィーン国立歌劇場合唱団/ウィーン国立歌劇場舞台上オーケストラ

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