オペラの殿堂、世界一のオペラハウス、ミラノ・スカラ座が6年振り、6度目の来日を果たす。[公演情報]
今回持ってくるのはヴェルディ円熟期の傑作「アイーダ」と「ドン・カルロ」の2演目。 ムーティがスカラ座を去ってから初めての来日公演で、音楽監督候補の2人、現時点で のスカラ座のエース指揮者とも呼ぶべきバレンボイムとガッティの対決も楽しみ。

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6年ぶり6度目の来日公演のスカラ座だが、いつも最も旬で自信作を引っさげての来日な ので、今回も大いに期待できる。このオペラを見ずして2009年のオペラシーンは語れな いであろう。
6年前の2003年にもヴェルディの2演目「オテロ」と「マクベス」を持ってきたが、グレアム ・ヴィックの演出、バリトンのレオ・ヌッチが両演目に出演し大車輪の活躍したことは 記憶に新しい。スカラ座では毎年12月7日は、ミラノの守護聖人サンタンブロージョの日 で、シーズンのオープニングの日として特別な日となっている。ダニエル・バレンボイムは、2009年の1月1日にウィーン楽友協会でウィーン・フィルのニューイヤーコンサー トに初登場、イスラエルとアラブの才能ある若者を集めてウェスト=イースタン・ディ ヴァン管弦楽団を組織するなど、世界で最も注目されている指揮者である。2007年12月 7日には、"マエストロ・スカリージェロ(主席客演指揮者)"として、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」を指揮した。一方のダニエレ・ガッティは、地元ミラノ出身の気鋭で、まだ47歳の若さで 将来を嘱望されている。1997/98シーズンよりリッカルド・シャイーの後を受け、ボローニャ・テア トロ・コムナーレの音楽監督に就任してからの活躍は目覚しく、アントニオ・パッパーノらと共にオペラ界の次世代を背負う指揮者として期待されている。2008年12月7日には、 「ドン・カルロ」を振り、絶賛を浴びた。


左:ダニエレ・ガッティ 右:ダニエル・バレンボイム

今回の「アイーダ」は、2006年12月7日にプレミエ公演されたもの。巨匠フランコ・ゼッフ ィレッリが創った豪華絢爛、壮麗荘厳な舞台は、彼の演出家人生の集大成のような素晴 らしい作品に仕上がっている。スカラ座史上最大の舞台装置や規模を誇る作品なので、 果たして日本に持ってくることが可能なのか?と言われていたが、スカラ座がその威信 を掛けて実現の運びとなった。出演者は実に約600名にも及ぶ。
キャストは、2006年のオープニングでもタイトルロールを務めたヴィオレッタ・ウルマ ーナ。世界一のメッツォ・ソプラノからドラマティック・ソプラノへ華麗なる転身を遂げ た本物のプリマドンナである。アムネリスには、ヴェルディのメッツォ・ソプラノとし て、長い間世界のトップに君臨しているルチアーナ・ディンティーノ。そしてラダメス には南アフリカ出身のスピント系のヴェルディ・テノールやヘルデン・テノールを得意 としているヨハン・ボータ。ちょい役のアモナズロでは、あまりにもったいないホアン ・ポンス等、最強のヴェルディ歌手たちが大集結でまさに必見である。





「ドン・カルロ」は、前述の通り3ヶ月前の2008年12月7日にプレミエ公演されたもので、 シュテファン・ブラウンシュヴァイク演出によるもの。彼は今もっともヨーロッパで注目され ている新進気鋭のフランス人演出家で、ザルツブルク・イースター音楽祭のワーグナー の「指環」チクルス、モネ劇場、エクサンプロヴァンス音楽祭、ストラスブールなどで評判の舞台を創っている。ゼッフィレッリとは対照的にゴテゴテした舞台装飾は一切使わ ず、シンプルでスタイリッシュな舞台によって人間の心理描写を鋭く描くという手法を 取る。この「ドン・カルロ」も、舞台は白と黒のモノトーンをベースにしたものながら、 衣裳は16世紀のものを忠実に再現したもので、リアリティは充分。
キャストは、何と言ってもエリザベッタのバルバラ・フリットリ。世界一のヴェルディ ・ソプラノの実力を発揮してくれるであろう。ミカエラ・カロージとのダブルキャスト も豪華である。タイトルロールにはテノールのラモン・ヴァルガス。ここ数年の安定感 は世界でもトップクラスである。ロドリーゴとエボリ公女には12月7日にもミラノで歌 った、バリトンのダリボール・イェニスとメッツォ・ソプラノのドローラ・ザージック という実力派の2人。さらに凄いのはバス陣で、フィリッポ2世には強靭な美声で世界を 席捲しているルネ・パーペと名バスのサミュエル・ラミーのダブルキャスト、宗教裁判 長はサミュエル・ラミーとアナトーリ・コチェルガという豪華版である。





さらには世界一の合唱団、スカラ座合唱団、イタリアNo.1のオーケストラ、スカラ座管 弦楽団もますます健在で、両演目ともに絶対に見逃せない。

上月光
(KOZUKI,Hikari)
株式会社ラテーザ代表取締役社長。音楽評論家。六本木男声合唱団倶楽部メンバー。
武蔵野音楽大学声楽科卒業。バリトン。趣味ゴルフ、スポーツ観戦等。

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2009-03-13 13:09 この記事だけ表示
 
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