NHK交響楽団 定期公演 2010年春シーズンプログラム
 NHK交響楽団が日本を代表する最高峰のオーケストラであることは疑う余地がない。これまで、カラヤンはじめ、ブーレーズ、バレンボイム、ヴァント、ゲルギエフ、小澤征爾、メータ、プレヴィンなどなど、ウィーン、ベルリンにも比肩する錚々たる面々が指揮台にあがった。古くは、作曲家のブリテン、ストラヴィンスキーも指揮している。この春シーズンには、N響と最も相性のいいブロムシュテット、尾高忠明、アシュケナージの三人がそろい踏み。いま望みうる日本の最高のオーケストラに、役者は揃った。

シーズンプログラムの聴きどころ

■"円熟"の指揮者が贈る「祈り」のクラシック!4月公演
 シーズン幕開けに登場するのは、名誉指揮者のヘルベルト・ブロムシュテット。彼の音楽には「質実剛健」という言葉がもっともふさわしい。敬虔なクリスチャンであり、自らを"音楽の従順な下僕"とし、楽譜こそがすべてで、それに忠実であろうとする姿勢から紡ぎ出される音楽には、飾り気こそないが、作曲家の求めた偽りのない響きが溢れている。オーケストラの能力を最大限に引き出すその手腕と彼の人間性に共感するN響団員が全幅の信頼を寄せる指揮者だ。
 ドレスデン国立管弦楽団の首席指揮者、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の音楽監督などを歴任したブロムシュテットは、特にドイツ正統派音楽とブルックナー、マーラーを得意としている。今回指揮するマーラーの交響曲第9番と、ベートーヴェンの交響曲第3番〈英雄〉は、それぞれの作曲家の最高傑作だ。特に、マーラーには期待したい。80歳を越え、まさに"円熟"の域に達したブロムシュテットの「祈り」にも似た音楽は、私たちに、「クラシック音楽のある人生の喜び」を再認識させてくれるはずだ。

■ロマンティックで叙情的な交響曲を堪能!5月公演
 5月は、今年、正指揮者に就任した尾高忠明が登場する。1987年、BBCウェールズ交響楽団の首席指揮者に就任し、オーケストラのレベルを引き上げたその手腕が認められ、96年から同団の桂冠指揮者に、そして、国内では札幌交響楽団の音楽監督を長く務め、今年9月からは新国立劇場オペラ部門芸術監督に就任するなど、その活躍ぶりには枚挙にいとまがない。 今回指揮するラフマニノフの交響曲は、BBCウェールズ響とのCDでも高く評価された、尾高の最も得意とする作品だ。ラフマニノフといえばピアノ協奏曲が有名だが、ラフマニノフの根底にあるロマンティックで叙情性ある美しい音楽が最も表現されているのが、この交響曲第2番だろう。名作であるにもかかわらず、あまり演奏される機会がなく、聴き逃せない一夜となりそうだ。

■オルガン&オーケストラの豪華な響き!6月公演
 シーズンの掉尾を飾るのは、N響の前音楽監督で、現桂冠指揮者のウラディーミル・アシュケナージ。前任のシャルル・デュトワとともに、それまで重厚さを売りにしてきたN響に"輝き"と"機能性"という新たな風を吹き込んだ功労者だ。 今回披露する、ドヴォルザーク、フォーレ、サン・サーンスといった作曲家の作品は、アシュケナージのもつ魅力を存分に味わえる、叙情的で絢爛豪華な作品ばかりだ。なかでも、ドヴォルザークの交響曲は"田園交響曲"とも言うべき美しい弦の響きとともに、管楽器が活躍する逸品。そして、チェロ協奏曲は、協奏曲の域を超えた、ドヴォルザークの交響曲"第10番"との呼び名もあるほどで、数ある協奏曲のなかでも最高傑作と言える名作だ。また、サン・サーンスの交響曲は「オルガン付」のサブタイトルでもわかるように、パイプオルガンが大活躍する作品。NHKホールの日本最大級のオルガンとオーケストラの奏でる豪華な響きに包まれ、至福の時をすごしたい 。

NHK交響楽団 Spring Season 2010/4/5/6月公演
一般発売:2/21(日)



2010-02-19 19:30 この記事だけ表示
 
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