2010サイトウ・キネン・フェスティバル松本[公演情報]
第1回開催から20年あまりを経て、すっかり日本のクラシック音楽界の夏の風物詩となった「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」。病気療養中の小澤征爾総監督のオペラ降板は残念だが、オーケストラコンサートではこれまで評判の高かった得意の曲でまた元気な姿を見せてくれるはずだ。そして、次代を担う新進気鋭の指揮者や演奏家を多数起用するなど、新たな試みにも注目が集まっている。

 サイトウ・キネン・フェスティバル松本は、小澤征爾率いるサイトウ・キネン・オーケストラが中心となって、オーケストラコンサートとオペラ、室内楽など、多彩なプログラムを披露する国際音楽祭だ。今年は、8月10日〜9月10日の32日間開催される。

 現在、世界の第一線でソリストや主要オーケストラのメンバーとして活躍する日本人音楽家のほとんどは、故・齋藤秀雄門下生か、齋藤に薫陶を受けた演奏家の弟子にあたる。彼らが小澤征爾のもと、恩師を偲び結成したサイトウ・キネン・オーケストラはそれゆえ、スーパーオーケストラと言ってもいいメンバー構成で、毎年高レベルの名演を聴かせてくれている。

 そのオーケストラコンサートは今年、3つのプログラムが予定されている。うち2つは、小澤征爾の指揮による公演。2007年にも演奏し評価の高かったベルリオーズの《幻想》、日本を代表する20世紀の大作曲家、故・武満徹の代表作《ノヴェンバー・ステップス》、そして第1回での名演がいまだ記憶に新しいブラームスの交響曲第1番と、小澤がもっとも得意とする曲ばかりが集められている。あわせて、充実著しい若手作曲家、権代敦彦の新作も世界初演される。

 もうひとつのプログラムは、2009年ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝した山田和樹を迎えてのもの。小澤の出発点ともなった同コンクールの優勝者と、ザルツブルク音楽祭など国際的な音楽祭でも活躍するピアニスト小菅優との競演は要注目だ。

 続いて、フェスティバルの要、オペラ。今年はR.シュトラウスの歌劇《サロメ》が上演される。小澤降板で誰が指揮するかに注目が集まったが、現在イスラエル・オペラとラアナナ・シンフォニエット・オーケストラの常任指揮者を務めており、2011〜12シーズンからロリン・マゼールの後任としてバレンシア州立歌劇場管弦楽団の音楽監督に就任する29歳のイスラエル人指揮者、オメール・メイア・ヴェルバーに白羽の矢が立った。

 ヴェルバーは、ダニエル・バレンボイムのアシスタントとしてベルリン国立歌劇場とミラノ・スカラ座で研鑚を積み、イスラエル・オペラではミラノ・スカラ座歌劇場管弦楽団を指揮しての《アイーダ》で絶賛され、今年3月にはベルリン国立歌劇場で《カルメン》で大成功をおさめるなど、今最もその将来が期待されている若手指揮者のひとりだ。いま、おそらく世界最高のシュトラウス歌手デボラ・ヴォイトの表題役とともに楽しみな公演となった。

 また、「武満徹メモリアルコンサート」はその第15回を記念し、アコーディオンのcoba、ギターの渡辺香津美、鈴木大介らを招き、武満徹の映画音楽をジャズやタンゴにアレンジしたコンサートを開催する。

 このほか、詩人谷川俊太郎の朗読による「詩と音楽」など、楽しい催しもいっぱいだ。





2010-06-15 11:24 この記事だけ表示
 
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