上岡敏之指揮 ヴッパータール交響楽団[公演情報]


本場ドイツの歌劇場で音楽監督として活躍する日本人指揮者がいる--読響、N響への 客演などにより、クラシック通の間で噂となっていた現ヴッパータール市の音楽総監 督を務める上岡敏之。ドイツ中西部の街のマエストロが一気にその名を知られたきっ かけは、2007年の手兵ヴッパータール交響楽団との来日公演を前にリリースされた CD、なかでもブルックナーの交響曲第七番でした。一般的な演奏であれば一時間強で 演奏されるこの曲を、なんと一時間半もかけて演奏していたのですから!

実際にリリースされたCDを聴くと単純にテンポが遅いのではなく、指揮者が誠実に楽 譜にあたり、確信を持ってオーケストラを導き、表現した結果だと思わせる演奏でし た。どこをとってもドラマを感じさせ、向かうべき方向がはっきりしているから聴き 手が道に迷うこともない。実に独特だけれど自然な呼吸が魅力的な、そして長大なブ ルックナーは、これまでのどんな名演とも違う、上岡にしかできないだろう音楽だっ たです!

そして実現した2007年の来日公演ではモーツァルト、ベートーヴェンからR.シュトラ ウス、チャイコフスキー、そして注目のブルックナーと、多彩なレパートリーが披露 され、私たちはまたしても驚かされました。モーツァルトはよく歌い、一転してベー トーヴェンでは力強く語りかける。シュトラウスの交響詩では雄弁に語り、チャイコ フスキーの交響曲は振幅の大きいひとつの悲劇として鳴り響く。上岡は決まったやり かたで作品を捉えてしまうのではなく、作品ごとに独自のアプローチをきっちりと創 りあげ、全身全霊でそのヴィジョンをオーケストラに伝え、聴き手に彼独自の音楽を 届けてくれる稀有な指揮者なのです。そして彼がオペラの指揮者であるからか、その 音楽はいつも劇的な雰囲気をまとい、実にスリリングな演奏が楽しめるのです。入念 なリハーサルに加え、舞台では即興的な表情も見せる音楽を聴いたファンは理解した と思います、上岡敏之の本領は舞台にあるのだと。そしてその後、新日本フィルや日 本フィル、そして新国立劇場などに客演してますます上岡の評価は高まり、いよいよ 10月には待望の来日公演が実現するのです。

今度の来日公演で演奏されるのは、オール・ワーグナー・プログラムと今年が生誕 150年となるマーラーの交響曲第五番を中心としたプログラム。 上岡のワーグナーなら、2007年来日公演のアンコールで演奏された「ローエングリ ン」第一幕への前奏曲の美しさや、この4月に日本フィルに客演した際の「パルジ ファル」「トリスタンとイゾルデ」抜粋の神秘的陶酔に満ちた響きを覚えている方も 多いでしょう。今回はあまり演奏されない「ファウスト」序曲、室内楽的な「ジーク フリート牧歌」に加え、「ニーベルングの指環」からの抜粋と、「上岡のワーグ ナー」を存分に楽しめるプログラムです。
そして上岡敏之が指揮するマーラーは一体どのようなものになるのでしょう?彼自身 が「人間の限界を超えられるぐらいまで音を書けた人」と評するマーラー。交響曲第 五番といえば有名なアダージェットももちろん気になるところですが、マーラーと同 じオペラ指揮者である上岡がこの名曲をどう捉えているのかは実に興味深いところで す…

彼らの来日まであと一ヶ月と迫りました。ぜひ、コンサート会場でお聴きになること をオススメします!

上岡俊之の人物について朝日Globeに詳しく掲載!






2010-09-07 14:12 この記事だけ表示
 
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