待望の新譜入手!上岡敏之指揮 ヴッパータール交響楽団[公演情報]
 いよいよ来月に来日公演が迫る上岡敏之とヴッパータール交響楽団。e+では、公演で 演奏される曲目を収録した彼らの待望の新譜をさっそく入手いたしましたので、コン サートのご紹介も兼ねてレヴューさせていただきます!


 まずはワーグナー作品を集めたアルバム。冒頭にめったに演奏されない初期の傑作 『ファウスト序曲』、そしてワーグナー畢生の大作『ニーベルングの指環』からの管 弦楽曲集が収録されています。『ラインの黄金』から『神々の黄昏』までの四作から 大づかみに筋書きが追えるような曲目はなかなか魅力的です。

 肝心の演奏は、いずれも実にドラマティックなもの。上岡が聴かせる『ファウスト序 曲』は、その真価が十全に発揮されたもの。神秘的な雰囲気もあり、全体の構成もよ く考えられたこの演奏を聴けばこの曲がロマン派の隠れた傑作であることがわかるは ず。

 そして『ニーベルングの指環』からの管弦楽曲集は、前回2007年の来日公演を聴いた ファンが夢見たプログラム。話題を呼んだブルックナーでも感じられた自然な呼吸は 実にお見事、そして美しいだけではない雄弁な語りは楽劇の場面を思いださせてくれ ます。「魔の炎の音楽」や「ジークフリートの葬送行進曲」のような劇的な場面のみ ならず、「森のささやき」のような描写からも感じられるドラマは日頃からオペラを 演奏している指揮者とオーケストラならではのもの。ますますコンサートでの演奏が 楽しみになりますね!

 なお、コンサートではCDに収録された作品に加え、ワーグナー作品の中では異色と言 える、室内楽的なジークフリート牧歌が演奏されます。神秘的、劇的な作品とは一線 を画すこの曲が果たしてどんな演奏になることでしょう…

 そしてもう一枚は、今年生誕150年を迎えたグスタフ・マーラーの交響曲第五番。ほ ぼ一般的な約70分で演奏されていますが、その時間以上に実が詰まって感じられる演 奏でした!オーケストラの名人芸を見せるだけでは終わらないこの演奏、この曲を何 度も聴いた人にこそオススメです!

 特に気になる第四楽章のアダージェットは、ニュアンス豊かな弱音の歌が印象的な演 奏でした。耳元でささやくような歌の美しさには耳をそばだてずにはいられません!

 他の楽章も聴かせどころにはこと欠きません。第一楽章の葬送行進曲と第二楽章の嵐 のように荒れ狂う音楽の対比、第三楽章の多彩な表情が楽しいスケルツォもお見事。 アダージェットに続くロンド・フィナーレの、アダージェットで提示された主題が変 形されながら高揚していくさまはもう圧倒的の一語!これまではそれほど多くマー ラーを演奏していないとのことですが、マーラーと同じオペラ指揮者だからか、雄弁 な演奏は実に説得的でした!!


 以上二タイトルのレビューでした。いずれもSACDハイブリッド盤でのリリースですか ら、どちらのディスクも非常に明瞭で雰囲気のある良い録音でした。音楽のちょっと した表情からオーケストラ全体のフォルテッシモまできっちりと聴き取れるこの二枚 は現在の上岡&ヴッパータール響を知るのに最適のものかと思います!

 ですが、ステージ上の彼らの息づかいや音楽の表情はライヴでなければわからない。 それにいつも生きた音楽を聴かせてくれる彼らのことですから、コンサート会場で鳴 り響くライヴはまた別の音楽となること間違いなし。コンサートに行く前にCDを聴い て予習するもよし、また公演のあとにコンサートの思いでとして聴くもよし、ぜひこ の機会に彼らの演奏に触れてみてください!
【e+MOVIE】演奏映像と9月に発売されたアルバムのPVが到着!!


2010-09-27 15:47 この記事だけ表示
 
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