オケプラスOPEN記念!在京オーケストラ座談会 その1 〜楽団のカラー、特徴〜[公演情報]

楽団のカラー、特徴

世界唯一の新聞社が母体のオーケストラ〜読響
正統的ドイツ音楽を背景に〜N響
熱血スダーンの熱い演奏〜東響
オペラ演奏に定評。創立100周年の節目を迎える〜東京フィル
巨星インバルの下、さらに磨きがかかった演奏に注目〜都響
熱い心とエネルギーをもったオーケストラ〜日本フィル
はっきり顔がみえるオーケストラを目指す〜新日本フィル


◆世界唯一の新聞社が母体のオーケストラ〜読響

法木(読響): 読売日本交響楽団(読響)は、まもなく創立50周年を迎えます。新聞社が母体となっている世界唯一のオーケストラというのが独特の個性です。

 最近はオペラにも多少出させていただく機会がありますが、活動の中心は主催のコンサート活動で、指揮者に内外の名指揮者を招いて、その独自性を打ち出した充実したプログラミングを組み立てるという大方針でやっています。

 2010年4月からヨーロッパの大指揮者シルヴァン・カンブルランを常任指揮者に迎え、日本の若手のホープ、下野竜也が正指揮者にとして脇を固める、その二人が軸の両輪となって活動しています。

読売日本交響楽団(読響)のチケット情報

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◆正統的ドイツ音楽を背景に〜N響

渡辺(N響): NHK交響楽団(N響)は、来年85周年を迎えます。長年、音楽監督を置かず、ドイツの正統的な指揮者と組んでやってきましたが、1998年にシャルル・デュトワが音楽監督に就任して以来、それまでドイツ音楽主体だったところに、フランス・ロシアものなどを演奏する機会が増え、かなりレパートリーが広がりました。それによりオーケストラ全体に、色彩感や繊細さが加味されたと思います。

 一方で、名誉指揮者のホルスト・シュタイン、オットマール・スウィトナーといったドイツの指揮者が相次いで亡くなられ、ウォルフガング・サヴァリッシュは指揮活動を数年前に引退し、正統的ドイツ音楽を継承している指揮者は現在ヘルベルト・ブロムシュテットただ一人というのが現状です。

 N響は公演が9月から翌年6月までA、B、Cのプログラムで各2日ずつあり、合計54回やらせていただいています。

 名誉指揮者として80歳を超えても元気満々なヘルベルト・ブロムシュテットが指揮をすると名演が期待され、お客様もそれを十分に分かっています。お陰さまで3000人以上入るNHKホールが完売もありうるという、恐ろしいほどの人気を獲得しています。

 また、アンドレ・プレヴィンが昨年から首席客演指揮者に就任しており、2011年3月には、彼と北米公演を行うことが決まっています。

NHK交響楽団(N響)のチケット情報

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◆熱血スダーンの熱い演奏〜東響

高瀬(東響): 東京交響楽団(東響)は、来年創立65周年を迎えます。特徴は、お客様はもとより身内をも引き込む熱い演奏です。

 40年間音楽監督を務めた秋山和慶に続いて、2004年に音楽監督に就任したユベール・スダーンの下、川崎市フランチャイズオーケストラとして、ミューザ川崎シンフォニーホールにてリハーサルを行い、個性ある響きをつくっています。また、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、そしていまアフター・シューマンというように定期演奏会では、毎年シーズンテーマを据え、活動していることがあげられます。

 会員の方々にも、スダーンのコンセプトをすごく喜んでいただけているようで、当初シューベルト、シューマン・チクルスのチケット販売は難しいのではないかと言われていたのですが、回を追うごとにお客様も増えていきました。いまではスダーンの演奏会は毎回ほぼ満員でして、次のシーズンも引き続き頑張っていきたいと思います。2011年度のシーズンテーマは「シェーンベルク」と、なかなかチャレンジングな作曲家をテーマにしますが、かなり面白い内容になると思っています。注目してください。

東京交響楽団(東響)のチケット情報

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◆オペラ演奏に定評。創立100周年の節目を迎える
〜東京フィル


三田村(東京フィル):東京フィルハーモニー交響楽団(東京フィル)は、1911年に設立された名古屋のいとう呉服店(現・松坂屋)少年音楽隊がルーツで、来年で100周年を迎えます。ひとえに100年といっても、特定の自治体や企業がついていた時期は松坂屋少年音楽隊のときのみで、戦前から自主運営オーケストラとして常に厳しい運営を続けてきましたが、皆様のおかげでようやく100年を迎えられることができます。

 もともとオペラの日本初演を多く手がけるなど、オペラ演奏には定評がありますが、そうしたところからも、“歌心”を強く持ち合わせた楽団といえます。

 初代常任指揮者のマンフレート・グルリットから、近年では尾高忠明、大野和士、チョン・ミョンフンといった指揮者陣を構えてきましたが、現在では世界の歌劇場で活躍するダン・エッティンガーが常任指揮者を務めています。

 2001年の新星日本交響楽団との合併で160名を超す楽団員数になり、シンフォニーとオペラ演奏の両輪で活動することができる柔軟性も持ち合わせたオーケストラとなっています。

 新国立劇場の年間2/3の公演でピットを務めるほか、年間大小300以上の公演、そしてNHK他の放送演奏など、幅広く皆様にお聴きいただける機会が多いオーケストラです。

東京フィルハーモニー交響楽団(東京フィル)のチケット情報

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◆巨星インバルの下、さらに磨きがかかった演奏に注目〜都響

福地(都響): 東京都交響楽団(都響)は、東京オリンピックの記念文化事業として、東京都がその翌年1965年に設立したオーケストラで、今年で45周年を迎えました。

 森正、渡邉暁雄、若杉弘、ガリー・ベルティーニという歴代音楽監督の下で第1級のオーケストラへと成長を遂げ、特にマーラーやフランス音楽など近現代の壮麗な管弦楽作品の演奏には定評があります。

 2008年からはエリアフ・インバルがプリンシパル・コンダクターに就任し、お得意のマーラー、ブルックナーを中心に幅広いレパートリーを取り上げていますが、登壇の度に非常に密度の高い演奏が話題となっています。マーラーでは就任披露公演での「千人の交響曲」や4番、3番、ブルックナーの5番、8番、ベートーヴェンなど、ライブCDが次々とリリースされて、お蔭様でどれも大変好評いただいております。

 インバルは95年から5年間特別客演指揮者を務めた時期がありますが、その時の非常に緻密で神経が張り詰めた印象から比べ、音楽がさらに大きなスケールとなり、躍動感も加わったとご評価いただいています。

 インバルに加えて、われわれの楽団と長く厚い信頼関係で結ばれているレジデント・コンダクターの小泉和裕、そして今期からは世界的に活躍著しいチェコ生まれの29歳の指揮者ヤクブ・フルシャをプリンシパル・ゲストコンダクターに迎えました。

東京都交響楽団(都響)のチケット情報

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◆熱い心とエネルギーをもったオーケストラ〜日本フィル

益満(日本フィル): 日本フィルハーモニー交響楽団(日本フィル)は、杉並区の杉並公会堂を拠点にしたオーケストラで、来年55周年を迎えます。

 主な活動は、オーケストラ・コンサート、エデュケーション・プログラム、リージョナル・アクティビティ(地域振興)とよぶ3本柱です。

 指揮者陣については、2008年からロシアの名指揮者アレクサンドル・ラザレフを首席指揮者に、2009年9月からフィンランドの俊英ピエタリ・インキネンを首席客演指揮者に迎えました。活動の中心となるオーケストラ・コンサートでは、東京、横浜、さいたま3都市での定期演奏会を開催しています。サントリーホールでの東京定期演奏会では、年間の半分の定期をラザレフとインキネンが担当し、そのほか、桂冠指揮者の小林研一郎、レギュラーに登場をお願いしている広上淳一が中心となります。

 オーケストラの特徴として、これはインキネンが言っていた言葉ですが、「野性的ともいえる強靭なエネルギーがある。」と。一度火がつくと止まらないという感じでしょうか(笑)。芸術的な大胆さとお客様との近い距離感を大切に、熱い心をもっているというウリは今後も無くさないようにしたいと思っています。

 このほか、横浜定期演奏会では、《輝け! アジアの星》と題し、積極的にアジアの若手指揮者やソリストを招こうと考えています。11月には山田和樹さんが、2011年5月にはペリー・ソーさんという香港フィルのアソシエイト・コンダクターが登場します。

 エデュケーション・プログラムは、長年にわたり意欲的に取り組む、日本フィルの強みの一つ。36周年を迎えた夏休みコンサートや元ロンドン交響楽団エデュケーション担当マイク・スペンサー氏との提携による《音楽創造ワークショップによる授業づくり》プロジェクトをスタートさせるなど充実していますよ。

 リージョナル・アクティビティでは、本拠地である東京・杉並区のみならず、多くの地域でますますその輪を広げています。市民とともにつくる九州公演は2010年2月に35周年を記念するツアーをラザレフのもと行い、山口県宇部市では、企業・行政・日本フィルの3者共同による「音楽を通した地域還元事業」が2年目を迎えました。九州公演は来年で36年目、36年間ずっと地元の実行委員の方々がコンサートを作ってくださっています。

 そうそう、来年3月には、55周年事業の幕開けとして、ラザレフと第39回香港芸術祭に参加してきます。アジアに向けて、文化の発信を目指します。

日本フィルハーモニー交響楽団(日本フィル)

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◆はっきり顔がみえるオーケストラを目指す〜新日本フィル

安江(新日本フィル): 新日本フィルハーモニー交響楽団は、1972年に小澤征爾のもと設立したオーケストラで、まもなく40周年を迎えます。

 私たちのプロフィールには一番最初に、「一緒に音楽をやろう!」という小澤さんの言葉を掲げていますが、その伝統を堅く守る楽員主体の自主運営のオーケストラです。

 いまは、オーケストラのキャラクター作り、「はっきり顔がみえるオーケストラ」というのを目指しています。墨田区(すみだトリフォニー)に拠点を置いて、利点を生かした音作りができていると思います。拠点を置くことで、そのスキルを日本中の地域のための演奏会活動にも結びつけることができる。

 音楽監督のクリスティアン・アルミンクが年間の定期公演の半分を指揮していますが、そこまで音楽監督に任せているオーケストラはおそらく、日本で唯一ではないかと思いますが、これは海外でも珍しい。それぐらい腰を据えて音楽作りをしたいと考えています。

 アルミンクを軸に今年からはダニエル・ハーディングをMusic Partner of NJPとして迎えます。このタイトルは、ダニエルと話をして、首席客演指揮者といったありふれた名前は新日本フィルらしくない、それに、ありきたりなのは自分としても嫌だということで決めたものです。彼も最低でも4プログラム6公演指揮しますが、この二人を中心に音楽作りしていくのが今の方向性です。そこに、フランス・ブリュッヘンが一年おきに日本に来ますので、準レギュラーのような感じで、こうしたはっきりした個性を持った指揮者が、しっかりと同じ時間を過ごして音楽を作っていく、それがオーケストラの顔作りになる、というポリシーで活動しています。

 いまインゴ・メッツマッハーが来ていますが、彼もオーケストラの素地・方向性がはっきりしいることをすぐに分かってくれて、すぐに来年の客演も決まりましたが、そういった形で、単なる客演じゃなく、音楽をやろうと賛同してくれる、音楽作りに共感を持ってくれる指揮者と今後もやっていきたいと思っています。

新日本フィルハーモニー交響楽団のチケット情報

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2010-11-22 19:31 この記事だけ表示
 
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