オケプラスOPEN記念!在京オーケストラ座談会 その2〜若い聴衆へどうアピールするか〜[公演情報]

若い聴衆へどうアピールするか

司会(唯野): 最近、クラシック音楽のコンサートに足を運ぶ若い方々がますます減ってきてしまっているという印象をもちます。一時期「のだめ現象」で盛り上がった感もありましたが、それも一時的なもので終わってしまった。そのあたりの危機感は現場でもお感じになりますか?
 また、さきほど日本フィルさんからはエデュケーション・プログラム、リージョナル・アクティビティ(地域振興)など、具体的なお話もいただきました(座談会 その1 熱い心とエネルギーをもったオーケストラ〜日本フィル)。各楽団さんでも、それぞれに教育プログラムを実施されていますが、そのほか、具体的な施策などありましたらお話ください。

福地(都響): 都響では、小中学校の音楽鑑賞教室や学校や福祉施設への出張演奏などのアウトリーチ活動に積極的に取り組み、若者にも親しみやすいオーケストラであるようにと心がけています。
 ただ、確かにお客様は高齢化していますね。第2代音楽監督、渡邉暁雄の頃から通っている方、若杉弘の時代、第4代のベルティーニの時代から、長く熱心な定期会員の方に支えられている。たいへんありがたいことなんですが、同時に、青少年に対してのコンタクトをどんどんしていき、次世代の音楽芸術に興味がある方を増やしていくのが、私たちの使命だと思っています。

渡辺(N響): 固定客としての定期会員席数が現在約1万席ありますが、非常にご高齢の方が多く、昭和の初期からN響を聴いてくださっている90歳を超える方々もいらっしゃる。ところが、高齢層も激減したうえに若い層の獲得も伴っていないのが現状で、その取り組みが今後の課題ではあります。

司会(唯野): クラシック音楽を少しかじって楽しむようになってきた、さあこれからコンサートに行ってみようと思われている方にとって、演奏家の名前や曲目を見たときに知らないものだと尻込みしてしまうかもしれない。絵画などと違って音楽となると、なかなかその良さを文字で伝えられない難しさがありますね。
 たとえば、N響さんであれば、放送メディアを持っていますので、例えば『N響アワー』で演奏会を後追いで紹介するのでなく、公演に先駆けて何か工夫ができないものかと考えます。これは多くのN響ファンも同じ気持ちではないかと。

渡辺(N響): それは可能じゃないかと思います。

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◆50年後の音楽界を見据えたとき、いまの学生にはぜひ聴いてほしい

安江(新日本フィル): 学生にはすごく来てほしいんです。いまの学生があまり来ない状況で数年後、50年後100年後、いったいどうなってしまうのか。特に音大の学生さんには聴きに来てほしいです。
 例えば、日本の音楽文化が、将来の演奏家がどう育つのだろうかと考えると、不安になりますよね。将来の日本のオーケストラ、演奏家がどういう位置にいるのかを考えると、とても残念な環境だなと。
 私たちがその必要性を伝えきれていないということがあるのかもしれませんが、実際に大学などに案内したとして、どれくらいのリアクションがあるかというと、もう少しあってもいいんじゃないの?と思ってしまいます。

司会(唯野): それはなぜなんでしょう? 実際に音楽を勉強されている学生さんが、しかも、安いチケット設定があるにもかかわらず聴きに来ないとなると、お手上げに近い状態ですよね。

渡辺(N響): 私は音楽学校出身ですが、私たちの学生時代、やはりプレイヤーになろうという人間は、実際どんな音を出しているんだろうと興味津々でした。ある時、シカゴ交響楽団のホルンセクションに憧れて、初来日の時もぐって(会場にこっそり忍び込んで)聴いたとか、そういうことがいっぱいあったんですよ。
 でも、今の時代なかなか演奏で食べていくのは大変だし、学校の先生になれればもう万々歳だ、みたいな時代になりつつある。なかなかオーケストラにも入りづらい、まして自分がソリストになるなんてあり得ない状況になって、どうも若い人達の意欲がなくなってきているのではないかな。

安江(新日本フィル): 不思議ですよね。40歳の私でさえ、某絶対リハーサル公開しないオーケストラの指揮者をどうしてもチェックしたくて、忍び込んで入っていきましたよ(笑)。好きで、なんとかしたいと思ったら、興味あったらそうなると思うのですよね、どんなことしてでも、と。

法木(読響): 時代が違うのかなあ。僕自身はアマチュア学生で、そのあとアマオケもちょっとやったりしていたのですが、いわゆる大学オケ、ブラスバンドもそうなんですが、それはそれは凄まじい人数がいるんですよ。ただ、いつも思うのは、集まって楽器やるのが好きな人間はいても、音楽が好きというのは、実は意外と少ないのかなと。音大の方は音楽好きも嫌いもない、それを選んだから勉強に来てほしいですけど。
 大学オケの人たちはそういった点で全然動かないんですよね。同じ曲やるとかってなると、大挙してくることはありますけど。それぐらいなんですよね。一回で終わってしまうという感じで。
 大学時代、N響でアルバイトしていて、いつもゲネプロ(最終総稽古)聴かせてもらってましたけど、生であの会場であの響きに包まれて、というのは他では得られないものがある。それで、音楽の好き嫌いと言うよりも、オーケストラそのものが好きになっていったのですが、そういうのを何とか広めていくのはどうしたらいいか。

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2010-12-21 18:33 この記事だけ表示
 
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