オケプラスOPEN記念!在京オーケストラ座談会 その2〜ゲネプロ・リハーサル公開〜[公演情報]

ゲネプロ・リハーサル公開

司会(唯野): ゲネプロ、リハーサルもいくつかの楽団さんで公開されていますが、限定された、わりと少ない人数を対象にされているところがほとんどです。新日本フィルさんのブリュッヘン「ベートーヴェン・プロジェクト」は購入者全員聴けますが、そこまで踏み切った公開を日常的にやるのは正直なところ難しいですか?チケットの販売につなげる意味では、あまり直前では効果がないのかもしれませんが、これから先々につなげていくという意味でも、こうした積み重ねが大事だと思うのですが。

益満(日本フィル): 杉並公会堂での定期演奏会リハーサル3日目の最後の練習の時、年に4、5回くらい無料でどなたでも聴けるというのをやっています。杉並区が新聞に広告を出すので、そうするとタダで聴ければいってみようと600人くらいお客様がいらっしゃる。でも、無料だからと聴いていく方はそれ以上にお金を出してくれない、すぐに50枚、100枚売れるということにはならない、という現実はありますね。
 一部、お客様からは「マイクをつけてくれないか、指揮者が何言っているかきこえない、なんで曲の途中で止めるんだ」と、そう言われるとお手上げなんですけど(笑)。なので、あんまりサービスしすぎても本体の方に傷がついてしまいますので難しい面もあります。

安江(新日本フィル): 私たちはパトロネージュとしてサポートしていただいている方々へのサービスとして、月に1回くらい、リハーサルの2日目にやるようにしています。音楽監督自身もなるべくリハーサルは公開したいという考えですので。
 ブリュッヘンの場合、多少チケットセールスのことも念頭にあるんですが、一方でそうした身内のように親しくしている指揮者の場合は非常にやりやすく、こちらも無理がきくというのもあります。
 個人的には、今後絶対にやろうと思っていますけど、区民の方になるべく見てもらえるように公開したい。墨田区にフランチャイズしているオケですから、区の「住人のひとり」として新日本フィルという「人」が普段何をやっているのかというのを見てもらいたい。

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◆オーケストラは社会的財産

福地(都響): そういうのは重要だと思うのです。オーケストラって社会的な財産ですよね。そう考えると、普段来られない方にも知って頂くチャンスという意味で、「開かれる」という活動は大事にされるべきじゃないかと思います。
 都響では、定期会員を対象とした年2回の公開ゲネプロのほか、一般の都民の方のための公開リハーサルも東京文化会館との共催で年2回行っています。
 また制度としてはやっていませんが、特別なリクエスト、たとえば、たまたま修学旅行でこちらに来ていて、吹奏楽の子供達がリハーサル聴かせて下さい、みたいなのは対応させていただいています。

安江(新日本): 墨田区のアウトリーチで小学校の授業にお邪魔しているのですが、墨田区に住んでいる小学生は、新日フィルを何らかの形で聴いている。聴いていない子は一人もいないはずなんです。
 その子たちが20歳になって成人式に集まる。成人式では新日本フィルのアンサンブルが弦楽器だけで20分くらい演奏するんですね。すると、それまで騒がしかったのが、演奏が始まるとものすごく集中して聴いてくれる。演奏した楽員たちも今年印象深かった演奏会として、たった15人で演奏した成人式を挙げるくらい、ショックというか嬉しかった。
 先生方曰く、子供の頃に皆、近い距離で新日本フィル、オーケストラに接しているので、オーケストラに対する距離や感覚がかなり近いんじゃないか。
 だから、早い時期にオーケストラの音、生のクラシック音楽に接する機会を作ることが、ひょっとしたら一番有効なのかなと思います。

渡辺(N響): 最近、N響も金管五重奏や弦楽四重奏で小学校に行くようになりました。子どもと一緒に給食も食べて(笑)。

安江(新日本): 一回はコンサートホールで聴いたことがあるとか、生で聴いたことがあると、その時は“点”だったかもしれないけど、二回目が、もしかしたら30年、40年、50年後かわかりませんが、それが“線”になれば、それでも結果としてはいいんじゃないかと思うんです。

法木(読響): いつか大人になって自分で稼げるようになって、チケット買って来てくれるかな、という期待はありますよね。それが一回券だけじゃなく、会員になってくれれば、よりいいなと思います。
 最初に小学校で聴いただけという人が一回券を買い、さらに、会員になってくれる・・・という図式が当然あるでしょうから、種は広く蒔かないといけないなと思います。

福地(都響): 時間が経ち、大人になって何かきっかけがあってファンになられることもありますよね。だから、割引きは十分あるし、青少年招待の機会だってあるけれども、それでも聴きに来ないというのは、いまの若い方々の時間の使い方とあわないのかもしれないし、親がせかせかさせているのかもしれない。あるいは音楽は好きでも、ネットやCDを聴いて満足してしまっているのかもしれない。だけど、あらためて大人になってからきっかけがあれば、生の音に病みつきになって、戻っていらっしゃるんじゃないかな。

司会(唯野): クラシック音楽は、絵画などと違い、雑誌やチラシで情報を見ても、直感的にすぐにその良さがわかるものではありません。また、一度聴いただけでは良さがわからなかったり、以前何気なく耳にした音楽が、ふとしたきっかけで、こんなにすばらしいものだったのかと気づかされることもあります。
 クラシック音楽の歓びに浸るには、ともかく何度もコンサートに足を運ぶしかないと思うんです。そして、何度か聴いているうちに、クラシック音楽のよさ、楽しさ、美しさ、などなど、わかってくる。
 ぜひ、多くの方に在京オケの演奏会に足を運んでいただき、クラシック音楽のすばらしさを体感していただけたらと思います。

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2010-12-21 18:30 この記事だけ表示
 
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