英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団プリンシパル、ツァオ・チー独占インタビュー[公演情報]

 武将のような威風堂々とした存在感。漆黒の瞳。カメラを向けると、ポーズが気恥ずかしいのか、無邪気に笑い出す。素顔のツァオ・チーを垣間見た。
 5月に英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団で来日する、映画「小さな村の小さなダンサー」の主演ダンサー、ツァオ・チー。今回上演される作品や今後の活動について熱く語ってくれた。



――ピーター・ライト版『眠れる森の美女』の特徴は?

 最近は古典作品でも舞台装置や衣装が、簡素化される傾向がある中、ライト版の『眠れる森の美女』は豪華絢爛で、古典バレエの贅を尽くした演出を楽しんでもらえると思います。

――王子役を踊るために、ご研究されたりしますか?

 最初の頃は、役柄、歴史などについて勉強しましたけど、今は何度も踊っているので、王子を演じるというより、王子そのものになっているという感じです。

――フレデリック・アシュトン振付の『真夏の夜の夢』の妖精の王オベロン役について伺いたいのですが?

 アシュトン作品は、ステップが細やかで、とても難しいです。アシュトンから直接振り付けされた、アンソニー・ダウェルから教わりました。アンソニーとは<回転が左利き>という共通点もあり、アシュトンの精神をたくさん伝授されました。

――英国スタイルのバレエの特徴は?

 英国スタイルのバレエにとって最も大事なのは、物語があること。動きは、物語を伝えるためにある。そして、「品格class」と「エレガンス」。作品はただの動きの連続では無いのです。私は、動きだけでは伝わらない、その伝統を次世代に受け継ぎたい。

――最後に、今、興味のある振付家は?

 振付家というより作品に興味がありますが、フォーサイスは踊ってみたい。あと、ブルノンヴィル(註)。自分は、跳躍や回転などの派手な技術で注目されるけど、もっと繊細で、内容の豊かな表現にも挑戦したい。もちろん、ブルノンヴィルの動きはシンプルだけど、肉体的にはとても厳しいものですけれどもね。


 今後のツァオ・チーの活動の展開に、期待が高まる。

 最後に、このインタビューは2011年3月11日の3時過ぎ、まさに大地震の直後、余震の続く中行われた。ツァオ・チーはじめ、通訳、カメラマン、皆動じることなく淡々と進めてくれた。そして、NBSの皆様にもあの非常時に、取材を進めさせてくださったことに、心から感謝したい。


註:オーギュスト・ブルノンヴィル(1805年生、1879年没)デンマークのロマンティックスタイルのバレエを代表する振付家


(文:池田愛子/写真:坂野 則幸)




2011-04-07 17:16 この記事だけ表示
 
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。