ピアニスト・横山幸雄と指揮者・山田和樹。二人の天才が2012年ジルヴェスターコンサートで夢の共演!「TOKYO FM 横山幸雄 ベートーヴェン ジルベスターコンサート」![公演情報]

左から横山幸雄、山田和樹

 今年5月、ショパン212曲の18時間におよぶ質の高い演奏で魅了した、今のクラシック界の頂点ともいえるピアニスト・横山 幸雄、そして2012年にスイス・ロマンド管弦楽団創立以来初めて設置する首席客演指揮者というポジションを得、世界から熱い 注目を浴びている指揮者・山田和樹―――。この今を代表する天才2人が、今年2011年12月31日、夢の共演を果たす。

 今回ジルヴェスターコンサートで取り上げるのは、大きな困難を音楽の力で乗り越えたルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴ ェン。ピアノコンチェルト全曲と、主要ピアノソナタ(横山幸雄によるピアノソロ)を一晩のプログラムで一気に演奏するとい う7時間の長大なコンサートとなる。

 「東日本大震災で苦難に直面した2011年。今年を締めくくるコンサートには、どうしてもベート ーヴェンを取り上げたかった」と横山幸雄は語る。「震災の復興は10年20年という単位の時間を要するものである上に、その間 にも別の喪失感と向き合う可能性もあるかもしれません。でも僕は演奏家なので、ベートーヴェンというひとりの音楽家の人生 と、彼の遺した作品を音楽で辿り、絶望の淵から新たな境地に辿り着いたその過程を一晩でみせることしか出来ないのです。そ れが少しでも、お客さんにとってのエネルギーになると信じたいと思います。」

 横山幸雄が今回ベートーヴェンのコンチェルト全曲を演奏するにあたり、ラブコールを送っ たのは指揮者・山田和樹。横山幸雄とは、実は16年前に、演奏家と観客、という立場で出会っていた。「高校2年生のときに、初 めて横山幸雄さんを演奏会で見て、その堂々たる存在感、スター性に圧倒されました。」と語る山田和樹。「横山さんの演奏は 、音楽が関連性を持って繋がっていることを実感させ、まるで風が吹くような、波がざわめくような、素晴らしい時空間を創り 出していました。そして昨年10月、ある演奏会で初めて横山さんと共演するお話を頂きました。雲の上の人のような手の届かな い方と共演出来る喜びに、僕自身、非常に幸せな想いで一杯でした。」今回、横山幸雄からコンサート出演のオファーをもらっ たとき、即快諾した。「ベートーヴェンのピアノコンチェルト全曲を一晩で演奏するなど、普通はありえないことです。僕自身 も未知の領域で、どんな音楽を創り出すことが出来るのか、今から本当にわくわくしています。」


 横山幸雄も山田和樹のタクトに大きな信頼を寄せる。「コンチェルトを演奏するとき、最終的にその音楽の全ては指揮者にゆ だねられていますよね。」と横山氏。「指揮者がどう振るのかと同時に、ソリストが指揮者にどう振っていただくように感覚を 伝えられるか。つまりは指揮者とソリストの間のコミュニケーションが上手くいくかいかないかで、音楽は決まってくるのです 。もちろん、多くの経験をつんだ指揮者の中には、どんなに難しいポイントでもきっちりできる方もいて、それにより僕も弾き やすかったという経験もあります。しかしそんなことよりも、音楽の共同作業という観点から山田和樹さんに感じたのは、指揮 の山田さんがソリストである僕の感覚を全て汲み取った上で、まるで僕がひっぱっていっているような素振りをみせながら、実 際には山田さんがひっぱっていってくれている、という感触でした。音楽のコミュニケーションがなんとスムーズにいく方なの だろうと実感したのです。」それ以来、横山幸雄は山田和樹にラブコールを送り続け、今回それが実現した。「僕には、今回の ジルヴェスターコンサートで山田和樹さんが僕と対峙するときの感触が、今から手に取るように判ります。今回も必ず期待通り になることを、確信しています。」

 そんな二人が今回ベートーヴェンの人生を音楽で辿る。クラシック音楽を芸術へと昇華させ たベートーヴェンの音楽は、その波乱に満ちた人生とは切り離せないものだ。横山幸雄はピアノコンチェルトを第一番から第五 番まで通して演奏することに、大きな意義があると語る。「第一番のころのベートーヴェンは、病気とは無縁の颯爽としたベー トーヴェン。第二番も第一番より以前に書かれているので、こちらもどちらかというと非常に軽やかな印象。しかし、第二番と 第三番の間には大きく隔たりがあります。第三番では、ベートーヴェンの心が葛藤しています。もしかしたら耳がおかしいのか もしれないという不安感と戦っている様子が伝わってくるのです。そしてその不安感が訪れた同時期に、ベートーヴェンは、今 までの音楽の常識を塗り替えるという偉業を成し遂げました。長い歴史の中で音楽は教会や宮廷に貢献するものでしたが、これ を個人のものとして創りあげ、人間賛歌の芸術として昇華させたのです。そして第四番になると、ベートーヴェンの音楽は、天 国に入ったような気配を感じさせます。最後の第五番では、現実としてその天国を受け入れるだけではなく、そこに力強さと輝 かしさを表現しています。」コンチェルト5曲の中には、ベートーヴェンの人生と考え方が凝縮されている、と語る横山氏。

 タクトを振る山田和樹は、ベートーヴェンのピアノコンチェルトの難しさをこう語る。「特 にそれぞれのコンチェルトの第二楽章が非常に深いんです。ベートーヴェンの哲学が凝縮されています。その哲学が伝わるよう な演奏は、世の中にもそんなに多くないと思います。僕は今回、これを大きな課題にしたいと思います。それから、ピアノコン チェルト第四番の中に、まずオーケストラがバン、と演奏して、その後ピアノがピアニッシモを奏でる、という場面があります よね。このオーケストラのほうは僕自身で管理できますが、第四番は、オーケストラとピアノとの1対1の対話によって方向性を 作っていく曲です。つまり、指揮者とソリストとの共同作業で、ベートーヴェンの内面に入っていけるかどうかが決まってくる のです。お互いが感じているものが違うと難しいんですよね。」 そして山田和樹はこう続けた。
 「音楽は言葉にすると失われてしまう部分が多いんです。音楽にはファンタジーが存在していて、それは決して言葉に出来な いものなんですよ。心と心とが感じているもので、どんどんつながっていく、頭と心の通い合いです。特にコンチェルトでは、 そこが独特の面白さなんです。」


  ベートーヴェンがピアノコンチェルト第五番を完成させたのは39歳。横山幸雄にとっても山田和樹にとっても、ベートーヴェン がこの作品に取り組んだ年齢と同年代に、二人の共演が実現したことになる。最後に、このベートーヴェンジルベスターコンサ ートへの意気込みを、との問いに二人の返答がシンクロした。
 「苦悩を抜けて歓喜へ、音楽の力で乗り越えたベートーヴェン。これからの新しい日本、元気になる日本へ、ひとつのメッセ ージを発信できたらと、心から願っています。」

(TOKYO FMプロデューサー 松任谷玉子)


公演概要

TOKYO FM
横山幸雄 ベートーヴェン ジルベスターコンサート

<公演日時>
2011/12/31 (土) 開場/17時00分 開演/17時30分 終演/24時45分
[第1部] 演奏時間/17時30分〜21時15分
[第2部] 演奏時間/22時00分〜24時45分
※ 開場/開演、終演時間は変更になる場合があります。

<場所>
東京オペラシティ コンサートホール(新宿区西新宿3-20-2)

<出演>
横山幸雄(ピアノ)、山田和樹(指揮)、
横浜シンフォニエッタオーケストラ

<曲目>
《第一部》
ピアノ協奏曲第1番 op.15
ピアノソナタ第8番 op.13「悲愴」
ピアノソナタ第14番 op.27-2「月光」
ピアノ協奏曲第2番 op.19
ピアノソナタ第17番 op.31-2「テンペスト」
ピアノ協奏曲第3番 op.37
《第二部》
ピアノソナタ第21番 op.53「ワルトシュタイン」
ピアノソナタ第23番 op.57「熱情」
ピアノ協奏曲第4番 op.58
〜カウントダウン〜
ピアノ協奏曲第5番 op.73「皇帝」




2011-11-01 16:26 この記事だけ表示
 
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。