5年ぶり、日比谷公会堂に伝説のショスタコーヴィチ・プロジェクトが帰ってくる![公演情報]

 3月4日の「日露友好ショスタコーヴィチ・プロジェクト2012」を目前に、指揮者・井上道義から強烈なメッセージが届きました。この思いをぜひガッチリ受け取って下さい!

 ショスタコーヴィチを脱がしたい!彼は1975年まで生きていたのだからほとんど僕らと同時代の人間だ。しかしショスタコーヴィチはストラヴィンスキーやプロコフィエフと違って、あの共産主義国家の統制社会から亡命もしないで、ペテルブルク(レニングラードという名前だった!)という実にコンパクトでイタリア趣味と多少のギリシャ趣味に彩られたロシアの中で最も西欧的な街を愛し、ほとんどが同じ音楽院の卒業生の音楽家たちの世界を愛し、妻や愛人や家族を含む小さなコミュニティへの愛を深める。そうすることでその時代の(ソヴィエト)ロシア全体の現実から目をそらさずに、彼一人の内面的な関係を、誰にも真似できない個性ある作曲法を駆使して、あの時代の世界に確固とした墓標を打ち立てたのだ。出来そうでできないことをやった男だ。例えてみれば、自ら留学もせず、相手がいないからと大リーグに移籍することもせず、寄せ集めの華々しく感じられるワールド・オーケストラなどに目もくれず、自分の絵をニューヨークで売れる芸術に仕立てるようなこともせず(5番のシンフォニーは多少大衆路線を狙ったが、命を脅かされてのことだ)、ひたすら自分の中に生まれる怒りをユーモアを交えながら時に激烈に時に優しく語ることに徹したのだ。ああ、僕はこんな男に憧れる。お前はどうしてそんなに自信に満ちていられたのだ?と彼の内面構造を裸にして見てみたい。
 そうそう、代役のディデンコは本当にすごい。こんな人、あと100年日本には生まれない。シャファジンスカヤもどんなに頑張ってもアジアの歌手には出来ないことをやってくれる。この2人とのショスタコ14番は必聴!井上道義。




2012-03-02 11:08 この記事だけ表示
 
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