チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラとともに来日するウラディーミル・フェドセーエフから、日本のみなさまへメッセージ![インタビュー]

 ロシアの名指揮者、ウラディーミル・フェドセーエフが、1974年以来音楽監督を務めるチャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラとともに来日する。チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラはこれまでモスクワ放送交響楽団と呼ばれてきたが、彼らのチャイコフスキー演奏を讃えて国際チャイコフスキー協会などが「チャイコフスキー」の称号を彼らに与えたのであった。今回の日本公演では、彼らが最も得意とするロシア音楽が披露される。十八番のチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」と弦楽セレナーデ、小山実稚恵をソリストに迎えてのラフマニノフのピアノ協奏曲第3番、リムスキー=コルサコフの交響組曲「シェヘラザード」と「スペイン奇想曲」、そして、ショスタコーヴィチの交響曲第10番などである。ショスタコーヴィチの交響曲第10番は、交響曲第5番ほど人気はないが、その完成度の高さから彼の最高傑作ともいわれる。実際、大指揮者カラヤンが唯一レパートリーとしたショスタコーヴィチの交響曲がこの第10番であった。
 今年80歳になった巨匠フェドセーエフが40年近く率いてきた手兵とともに、ロシア音楽の真髄を堪能させてくれるに違いない。

〔文/山田治生〕

 

日本のみなさまへ

 私がチャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ(元モスクワ放送交響楽団)の芸術監督に就任してから35年以上経ちますが、本当に様々なことがありました。祖国はもちろん世界中で。最近では、日本の大震災と、それにともなう数々の悲劇には本当に心が痛みました。そして日本の皆様の凛とした姿勢には本当に尊敬の念をあらためて覚えました。
 私の指揮者人生について言えば、今や家族とも言えるチャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラと、これほど長く一緒に歩んでこれたことを心から幸せに思います。また、日本でも私の80歳を祝っていただけること大変光栄に思います。

 このたび、私の愛するロシア音楽の数々の名曲を、日本の皆様にお届けできることを心から幸せに感じています。
 ピアノ協奏曲は実稚恵さんとの再びの共演が楽しみです。彼女とはこれまで何度もご一緒していますが、私の大好きなピアニストです。そしてロシア音楽を正しく理解し、感じることができる天性の感覚をもった数少ない音楽家のひとりです。きっと潜在的にロシア人の心を持っているのでしょう。再びラフマニノフを一緒に演奏できることを心から嬉しく楽しみに思います。

 そしてロシアを代表する作曲家チャイコフスキーの名を冠する私たちにとって、やはりチャイコフスキーは特別な作曲家です。聴きどころ、魅力・・・それはきっと世界でもっともチャイコフスキーを愛してくれている日本の皆様が一番良くご存じでないでしょうか!
 「悲愴交響曲」は、広島での雨の中でのコンサート、大阪でのチャイコフスキー没後100年メモリアルコンサート(ライブ録音も発売されました)など、たくさんの特別な思い出のある曲です。今回も聴いて下さったお客様の心に残る演奏となれば嬉しいです。
 
 日本にはこれまで何度も訪れていますが、本当に素晴らしい国で、いつも幸せな時間を過ごしています。
 私は、音楽は専門家や研究者、一部の人のためのものではなく、すべての人のためのものであり、そして聴いてくださる方がいてはじめて成立するものだと思います。CDももちろん素晴らしいですが、やはり私たちは生の演奏、コンサート、そしてそれを共有することは何よりも素晴らしい体験だと信じています。
 どうぞ皆様、コンサート会場にいらしてください。お会いできることを楽しみにしています。

ウラディーミル・フェドセーエフ

 

公演情報

チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ
ウラディーミル・フェドセーエフ指揮


<公演日程・会場>
2012/10/15(月)、16(火)、17(水) サントリーホール 大ホール (東京都)

<出演>
芸術監督・首席指揮者:ウラディーミル・フェドセーエフ
管弦楽:チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ
ピアノ:小山実稚恵(10/16(火)のみ)

<曲目>
【10/15】 オール・チャイコフスキー
チャイコフスキー:
≪エフゲニ・オネーギン≫より3つの交響的断章(フェドセーエフ編曲)
チャイコフスキー:弦楽のためのセレナード ハ長調 op.48
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調op.74「悲愴」

【10/16】 ロシアン・ロマンティック
ラフマニノフ:ヴォカリーズ
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 op.30(ピアノ:小山実稚恵)
R.コルサコフ:交響組曲「シェヘラザード」 op.35

【10/17】 フェドセーエフの芸術
スヴィリードフ:
交響組曲「吹雪」〜プーシキンの物語への音楽の挿絵〜より
R.コルサコフ:スペイン奇想曲 op.34
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 ホ短調 op.93



2012-09-25 18:16 この記事だけ表示
 
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。