TOKYO FM 夢の第九コンサート2012 指揮者:西本智実にインタビュー[インタビュー]

  西本智実の指揮する「TOKYO FM 夢の第九コンサート」が今年も開催される。合唱練習会に出席して本番に備えることも、練習会には出ないが本番だけ声を合わせることもできる、“誰でも参加型”の「第九コンサート」である。

西本智実に公演の見どころを聞いた!

「ここの第九の特徴は、合唱団としてグループで来る人だけでなく、当日の個人参加もOKということです。『やっぱり歌いに行こうかしら』ってその日に決めてもOKみたいな(笑)。全員ドイツ語ができるというわけではないけれど、それでもいい。そういう柔軟で間口の広いところに、指揮者としては怖いところもありますが、誰もが参加できる良さを感じます。合唱をやりたいけど子育てや仕事の関係で練習に出るのが難しい人も大歓迎。それでも形になるところがここの第九の素晴らしさです」

2010年の第1回は日本武道館で、昨年の第2回は東京国際フォーラム・ホールAで、開催された。参加者にはリピーターも多いという。既に練習会は始まっている。
「1回目、2回目に出たという人は結構多いですね。1度歌った経験でどんどん楽しくなって、もっと掘り下げてやりたいという熱心な方がたくさんいらっしゃいます」

もちろん、初心者も大歓迎だ。
「今年初めてという方もまったく気がねなく参加していただきたい。とにかく合唱は非常に楽しい。一人ひとりが声を出し、声を合わせることは素晴らしい現象。私も合唱大好きで、できるなら合唱に入って歌いたいくらいです(笑)。自分の声が他の人の声と重なって大きな音楽ができることが感じられます。CD鑑賞とはまったく違うレベルの感動です。是非、味わっていたただきたいと思います」

指揮者にも毎年違った楽しみがある。
「何度同じメンバーで演奏したとしても本番は違う空気になるものですが、ここはその幅が大きい。指揮者としてまとめながらも、生まれて来る予想も付かない部分をどれだけ広げられるかだと思っています。2年目、3年目、年を積み重ねていますが、同じことを繰り返すことはありません。去年とは違った高みに行ければいいなと思っています。来年があるとすれば、来年は来年の形になります。第九には時代を越えた強さがあり、何回演奏しても素晴らしさを感じます」

今年のオーケストラは、西本が今年9月からミュージックパートナーを務める日本フィルハーモニー交響楽団。
「日本フィルとは随分長く共演してきました。日本フィルはひとつの作品に対して良いものを作ろうという熱気があります。オーケストラの熱が直接伝わるような演奏をしたいと思っています」

現在、西本は、オリンパスホール八王子のエグゼクティヴプロデューサーを務めるほか、新しく結成されたイルミナートフィルハーモニーオーケストラを率いる。イルミナートフィルは、国内外の優秀な音楽家が集ったオーケストラ。
「今はフィルになっていますが、実は、オーケストラだけではなく、メンバーには、バレエ・ダンサーやオペラ歌手もいます。プロフェッショナルな集団で、クラシックだけではありません。ミュージカルもやるかもしれません。イルミナートは日本だけのものでもありません。様々な国にイルミナートのメンバーがいて、彼らと連携して活動していきます。もともと私はオペラ畑の出身で、いろいろな才能が集まって世界が広がる劇場が大好きなのです。イルミナートは志を同じくする芸術家集団です。全貌はこれから明らかになっていきます」
今後がとても楽しみなプロジェクトである。

[取材・文/山田治生]

公演概要

TOKYO FM 夢の第九コンサート2012


<公演日程・会場>
2012/12/18(火) 東京国際フォーラム ホールA (東京都)

<出演>
指揮者:西本智実
オーケストラ:日本フィルハーモニー交響楽団
ソリスト:日比野幸(ソプラノ)/山下牧子(アルト)/経種廉彦(テノール)/成田博之(バリトン)

<曲目>
ベートーヴェン:交響曲第九番 ニ短調 作品125(合唱付)

2012-10-26 17:03 この記事だけ表示