「佐藤しのぶ、『トスカ』を語る」=ソフィア国立歌劇場来日公演『トスカ』=[インタビュー]

  先シ−ズン末の6月、ソフィア国立歌劇場で上演された『トスカ』では、題名役の佐藤しのぶの圧倒的なステージ・プレゼンスに客席は最大級の賛辞を惜しまない。デビュー以来、長きに渡って第一線を張ってきたプリマドンナのオーラが燦然と輝いている。


佐藤しのぶ、『トスカ』を語る

Q:ソフィアには、これまで『オテロ』や『仮面舞踏会』等で出演されていますが、今回はソプラノ歌手にとって最高のロールである『トスカ』が実現しました。『トスカ』をこれまでも度々歌ってこられて、いまこの作品に対して、どう考えていますか?
佐藤(以下S):プッチーニの作品中、『トスカ』は最高傑作だと思います。無駄なく見事に書いてあるので、演じている方はたいへんです。そのうえ今回のカルターロフ総裁の演出では、第二幕から休みなく第三幕に続きますので、ますます大変な舞台です。
歌手冥利に尽きる作品であるとともに、演技上の要求も多いのです。音楽が一番白熱したところで歌手から歌を奪ってしまうという、つまり、スカルピアを殺害した後、トスカは歌わず、ずっとオーケストラに情景を語らせるシーンで。舞台はトスカただ一人になり、客席は彼女の一挙手一投足に集中するのです。

Q:しのぶさんは舞台女優だから、最高の見せ場になっていますね。ここで、トスカって、どういう女性でしょうね?
S:スカルピアは、もしトスカが自分の思いのままになっていたとしても、マリオを処刑してしまったでしょう。だから冷徹非情な悪人をどうしても許せないトスカは咄嗟にスカルピアを殺してしまい、しかも最後に「神の御前で決着をつけましょう!」と大見得を切って城壁から飛び降りるわけです。スカルピアは最高の権力者であり、すべてを意のままに操った男ですが、トスカには完全に負けた、という解釈を私はしています。

Q:やはり、それだけの練られた舞台だからですね、ソフィアの客席があれほど盛り上がったのは。
S:お客様が夢中になって舞台に引き付けられている様子がうかがえて、なによりもうれしかったです。日本でも、そうなると最高ですが・・・。

Q:大丈夫、しのぶさんが渾身のステージを見せれば大成功間違いなしですよ。

[インタビュー/山崎睦(音楽ジャーナリスト)]


公演概要

ソフィア国立歌劇場

<公演日程・会場>
2012/11/15(木)〜11/18(日) 東京文化会館大ホール (東京都)
<出演>
指揮:アレッサンドロ・サンジョルジ
ソプラノ:小林沙羅(11/15)/佐藤しのぶ(11/17)
<曲目>
【11/15(木)】
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」、プッチーニ:「ジャンニ・スキッキ」
【11/17(土)・18(日)】
プッチーニ:「トスカ」

ソフィア国立歌劇場
「カヴァレリア・ルスティカーナ」「ジャンニ・スキッキ」

<公演日程・会場>
2012/11/10(土) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール (兵庫県)
2012/11/11(日) 千葉県文化会館 大ホール (千葉県)
<出演予定>
カヴァレリア・ルスティカーナ:ゲルガーナ・ルセコヴァ(サントゥッツァ)、コンスタディン・アンドレエフ(トゥリッドゥ)、プラーメン・ディミトロフ(アルフィオ)、リュミアナ・ペトロヴァ(ルチア)
ジャンニ・スキッキ:ウラディミール・サムソノフ(ジャンニ・スキッキ)、小林沙羅(ラウレッタ)、ダニエル・オストレツォフ(リヌッチョ)
管弦楽/ソフィア国立歌劇場管弦楽団
合唱/ソフィア国立歌劇場合唱団
指揮/【カヴァレリア・ルスティカーナ】アレッサンドロ・サンジョルジ、【ジャンニ・スキッキ】ウェリザール・ゲンチェフ
演出/プラーメン・カルターロフ
<曲目>
マスカーニ作曲:「カヴァレリア・ルスティカーナ」(全1幕・イタリア語上演/日本語字幕付)
プッチーニ作曲:「ジャンニ・スキッキ」(全1幕・イタリア語上演/日本語字幕付)



2012-10-31 12:26 この記事だけ表示
 
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