国際的に活躍する指揮者、大野和士が2015年より東京都交響楽団音楽監督に就任!就任記者会見で“日本復帰”について語る。[公演情報]

© Herbie_Yamaguchi

  戦後生まれの日本人指揮者のなかで最も国際的に活躍しているのは、大野和士に違いない。現在、フランス国立リヨン歌劇場首席指揮者を務める彼は、これまでにクロアチアのザグレブ・フィル音楽監督、ドイツのバーデン州立歌劇場音楽総監督、ベルギー王立歌劇場(モネ劇場)音楽監督を歴任しただけでなく、メトロポリタン歌劇場、スカラ座、パリ・オペラ座、ロンドン交響楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、ボストン交響楽団など、世界最高峰の歌劇場やオーケストラに客演している。そんな大野が2015年4月に東京都交響楽団の音楽監督に就任する。彼は、1992年から99年まで東京フィルの常任指揮者を務めていたが、その後、日本で音楽監督や首席指揮者のようなポストには就いていなかった。

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大野和士と東京都交響楽団

 フランス国立リヨン歌劇場は、フランスでは、パリ・オペラ座(ガルニエ宮とバスティーユ歌劇場)に次ぐオペラハウスといえよう。これまでに、エリオット・ガーディナーやケント・ナガノら、著名指揮者がシェフを務めてきた。大野は、2008年にこの歌劇場の首席指揮者に就任。ベルクの「ルル」、ワーグナーの「パルジファル」、サーリアホの新作(世界初演)など、大作や話題作を手掛け、リヨン歌劇場のカンパニーとともにエクサンプロヴァンス音楽祭での公演も行った。今年の夏は、リヨン歌劇場とともにエジンバラ音楽祭に招かれ、ベートーヴェンの「フィデリオ」を上演する。大野はまさにヨーロッパで最も活躍するオペラ指揮者の一人となっている。

 そんな大野が日本のオーケストラのシェフに“帰ってくる”。6月14日にひらかれた「東京都交響楽団 大野和士 次期音楽監督就任記者会見」で、彼は、「2011年3月11日以降、人間として、今何をなしうるかを考えてきました。そして、傷ついている祖国により貢献したい、時間を割きたいと思うようになりました。都響とより深い表現を求め、人々に音楽を届けたいという気持ちが強くなりました。私は都響の芸術性に惚れ込んでいます」と“日本復帰”について語った。

 大野と都響との関係は長い。1984年3月15日の都響との初共演は、大野のプロ・オーケストラでのデビュー・コンサートでもあった。1990年には、二期会とともに大野&都響は、フィンランド・サヴォリンナ・オペラ・フェスティヴァルに参加し、プッチーニの「蝶々夫人」(ミラノ版)を上演した。そして、両者の相性の良さから、大野は都響の「指揮者」というポストに就いた(1992年まで)。彼が日本のオーケストラからもらった初めての役職であった。

 大野が音楽監督に就任する2015年に東京都交響楽団は創立50周年を迎える。都響は、これまでにエリアフ・インバル、ガリー・ベルティーニ、若杉弘らの名指揮者に率いられ、国内屈指のオーケストラに発展した。特にマーラーの演奏は、世界のトップ・クラスにある。都響との将来について、大野は「いろいろなレパートリーに挑戦したい。世界と同時進行し、都響に来れば、世界の今が聴けるようでありたい。知らざれる名曲、知っておくべき名曲を紹介したい」と語る。2015年、大野&都響は楽団創立50周年を記念するヨーロッパ演奏旅行を行う。このツアーのための委嘱作品をヨーロッパで披露し、「日本文化の最先端を伝えたい」という。

 現代は、オペラ界もオーケストラ界も世界的に結びつきを深め、国際的なコープロダクション(共同制作)がますます進行している。国際的な知名度の高い大野和士が、世界の演奏団体と手を取り合って、都響を次のステージへと引き上げてくれることだろう。大野和士&東京都交響楽団は、東京や日本だけでなく、世界の音楽界で最もエキサイティングなオーケストラのコンビの一つとなるかもしれない。

〔取材・文=山田治生〕


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大野和士
東京都交響楽団

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2013-07-25 18:49 この記事だけ表示
 
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