フルトヴェングラー、ベーム、カラヤンと共にクラシック音楽界の礎を築いた伝説のピアニスト、遂に最後の来日公演!パウル・バドゥラ=スコダ、ラスト・コンサートの見どころ[公演情報]

ウィーンの伝統を受け継ぐ、現役最年長ピアニストの一人であるパウル・バドゥラ=スコダが2014年6月に最後の来日公演を行う。

2014/6/5(木)公演 2014/6/10(火)公演

公演の見どころ

 バドゥラ=スコダは、1927年、ウィーン生まれ。つまり現在86歳。1945年にウィーン音楽アカデミーに入学。1947年にオーストリア音楽コンクールで優勝。翌年、デビュー・リサイタルを開く。その後、20世紀前半を代表する名ピアニストであるエドウィン・フィッシャーのマスタークラスに参加し、薫陶を受ける。1949年には、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、ヘルベルト・フォン・カラヤンという二人の偉大な指揮者と共演し、一躍、注目される。ザルツブルク音楽祭にデビューし、1953年にはニューヨーク・デビューを果たす。その後、カール・ベーム、ヨーゼフ・クリップス、ヘルマン・シェルヘン、ハンス・クナッパーツブッシュ、アルトゥール・ロジンスキー、ジョージ・セル、ゲオルグ・ショルティ、チャールズ・マッケラス、ロリン・マゼールなどの巨匠指揮者のもとで演奏。20世紀最高のヴァイオリニストの一人であるダヴィッド・オイストラフとも共演している。ザルツブルク音楽祭のほか、エジンバラ音楽祭、ジョルジュ・エネスコ音楽祭、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭など、世界有数の音楽祭にも招かれた。

 バドゥラ=スコダは、かつて、イェルク・デームス、フリードリヒ・グルダとともに「ウィーン三羽烏」の一人に数えられた。また、自筆譜や初版譜(マイクロフィルム)、あるいは、さまざまな歴史的な鍵盤楽器のコレクションを行い、モーツァルトの楽譜(「新モーツァルト全集」)の校訂やベートーヴェン、シューベルトの研究書の執筆を手掛けるなど、アカデミックな活躍でも知られる。若い音楽家たちへの指導にも熱心に取り組み、主要な国際コンクールの審査員も務める。

 これまでに膨大なLPやCDの録音を残しているが(なかでも2度にわたるシューベルトのピアノ・ソナタ全集は特筆される)、80歳を超えてからも、モーツァルトのピアノ協奏曲(弾き振り!)やハイドンのピアノ・ソナタの録音を続けている。まさにウィーンを代表する巨匠ピアニストといえよう。

バドゥラ=スコダにとって今回が最後の来日となるという。つまり、日本の聴衆がウィーンの伝統を受け継ぐ伝説の巨匠の演奏を聴くのはこれがラスト・チャンスとなるわけである。来年6月にひらかれる「ラスト・コンサート」は、前半がソロ・リサイタル、後半がオーケストラ(東京交響楽団)との協奏曲という形で行われる。プログラムは、ウィーンと関わりが深いモーツァルト、ハイドン、シューベルトの作品によって組まれる。バドゥラ=スコダは、バロック音楽から現代音楽まで幅広く演奏するが、彼のレパートリーの中心は、やはり、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンらのウィーン古典派音楽、そして、ウィーン生まれのシューベルトの作品である。

 モーツァルトの悲哀を帯びた「幻想曲 ニ短調 K.397」で始まり、ハイドンの珠玉のピアノ・ソナタ (第20番)ハ短調が続く。そして、バドゥラ=スコダのまさに十八番というべきシューベルトの即興曲 作品90 D.899では、ウィーンの粋というべき演奏が聴けることだろう。最大の注目は、モーツァルトのピアノ協奏曲第27番の弾き振りである。85歳を超えて指揮にも挑むバドゥラ=スコダの表現意欲には驚かされる。モーツァルトのピアノ協奏曲第27番は、彼の最晩年の澄んだ境地を示す最後のピアノ協奏曲だけに、日本の聴衆へのお別れとしてこれ以上にふさわしい曲はない。巨匠の指から紡ぎ出される究極のモーツァルトは聴き逃せない。


[文/山田治生]


公演概要

パウル・バドゥラ=スコダ(p)
ラスト・コンサート


<公演日程・会場>
2014/6/5(木) すみだトリフォニーホール 大ホール (東京都)

<出演>
指揮・ピアノ:パウル・バドゥラ=スコダ
管弦楽:東京交響楽団

<曲目>
■第一部 リサイタル
モーツァルト:幻想曲 ニ短調 K397
ハイドン:ピアノ・ソナタ ハ短調 Hob. XVI−20
シューベルト:4つの即興曲 作品90, D899
■第二部 協奏曲の夕べ
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K595

みなとみらいアフタヌーンコンサート2014前期
「生ける伝説―ファイナル・コンサート」 パウル・バドゥラ=スコダ ピアノ・リサイタル


<公演日程・会場>
2014/6/10(火) 横浜みなとみらいホール 大ホール (神奈川県)

<出演>
ピアノ:パウル・バドゥラ=スコダ

<曲目>
ショパン:ワルツ第3番、第7番、第6番「小犬のワルツ」/ノクターン第7番、第8番/マズルカ第18番、第19番、第20番、第21番/舟歌/バラード第3番/シューベルト:ソナタ第21


2013-11-27 16:28 この記事だけ表示
 
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