バルバラ・フリットリ ソプラノ・リサイタル 公演のみどころをご紹介![公演情報]

 今のイタリア・オペラの女王といえば、バルバラ・フリットリに違いない。昨年のミラノ・スカラ座の「ファルスタッフ」でのアリーチェをはじめ、2012年のウィーン国立歌劇場の「フィガロの結婚」での伯爵夫人、2011年のメトロポリタン歌劇場の「ラ・ボエーム」でのミミ、2010年のトリノ王立歌劇場の同じくミミ、など主要歌劇場の来日公演では重要な役柄を担い、まるでそのツアーの座長のような風格が感じられた。

公演のみどころ

 ミラノに生まれ、ミラノのヴェルディ音楽院で学んだ正統派。その澄んだ美しい歌声と迫真の表現力で、特にモーツァルトやヴェルディでは他の追随を許さない。まさに現代最高のソプラノである。2014年には、リッカルド・ムーティ率いるローマ歌劇場の日本公演で、「シモン・ボッカネグラ」のアメーリアを歌う。

 そして、そのローマ歌劇場との来日を機に、フリットリは、6月4日に東京オペラシティコンサートホールでリサイタルをひらく。今回、得意のモーツァルトは、最晩年の「皇帝ティートの慈悲」と14歳のときに作曲された「ポントの王ミトリダーテ」の2つのオペラ・セリアからのアリアを歌う。劇的かつ品格ある歌唱が聴けることだろう。ヴェルディは「アイーダ」から“勝ちて帰れ”、プッチーニは「トスカ」から“歌に生き、恋に生き”、などの名曲を歌う。ダヌンツィオの詞による、トスティの歌曲「アマランタの四つの歌」も聴きものだ。詞と音楽が密接に結びついたトスティの傑作をフリットリが歌う。美しい旋律と情熱が魅力的。

 また、今回のリサイタルでは、フランス歌曲やフランス・オペラのアリアを取り上げるのが楽しみ。ベルリオーズの「夏の夜」はフリットリの声に合ったチャーミングな歌曲。デュパルクの珠玉のフランス歌曲でも魅力的な歌唱が聴けるに違いない。フランス・オペラではマスネの「マノン」からアリアを歌う。これまでに「ホフマン物語」のアントニアや「カルメン」のミカエラなどを歌い、フランス・オペラにも精通するフリットリだけに、かなり期待できそう。

 2006年の「東京・春・音楽祭」で、ムーティがヴェルディのレクイエムを取り上げた時、フリットリは、独唱者のなかで唯一、楽譜を持たず暗譜で歌った。特にソプラノの一人舞台となる最終曲「リベラ・メ」は、本当にオペラのワン・シーンのようであった。今回のリサイタルでも、フリットリの歌唱から、彼女のステージの立ち振る舞いから、オペラのワン・シーンが立ち昇ってくるに違いない。

[文/山田治生]

公演概要

バルバラ・フリットリ ソプラノ・リサイタル

■公演日程・会場
2014/6/4(水) 東京オペラシティ コンサートホール (東京都)

■出演者
指揮:アレッサンドロ・ヴィティエッロ 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

■曲目
(予定)
第1部
ドニゼッティ:歌劇『ラ・ファヴォリータ』より序曲
デュパルク:「旅へのいざない」
デュパルク:「悲しき歌」
ベルリオーズ:歌曲集「夏の夜」より第1曲「ヴィラネル」
ベルリオーズ:歌曲集「夏の夜」より第6曲「知られざる島」
マスカーニ:
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
トスティ:アマランタの四つの歌

第2部
モーツァルト:歌劇『皇帝ティートの慈悲』より
“おおヴィテリア、今こそ〜今はもう美しい花のかすがいを”
モーツァルト:歌劇『ポントの王ミトリダーテ』より
“恩知らずの運命の厳しさが”
マスネ:タイスの瞑想曲
マスネ:歌劇『マノン』より”さよなら、小さなテーブルよ”
ヴェルディ:歌劇『アイーダ』より”勝ちて帰れ”
プッチーニ:歌劇『マノン・レスコー』より間奏曲
プッチーニ:歌劇『トスカ』より”歌に生き、恋に生き”

※演奏順不同
※曲目は演奏者の都合により変更になることがあります



2014-03-11 11:37 この記事だけ表示
 
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