2014年6月の再来日が待たれる、80歳を超える奇跡のソプラノ!リナ・ヴァスタへインタビュー![インタビュー]

  去る2月7日、東京芸術劇場で開催されていた「なんでも!クラシック2014」のなかの、「80歳のソプラノ!奇跡の来日」と題されたコンサートに登場したリナ・ヴァスタは、ヴェルディの《椿姫》から「さよなら、過ぎ去った日々よ」を歌い、その衰えを知らない美しい声と澄んだ高音でいっぺんに聴衆の心をつかんだ。



リナ・ヴァスタへインタビュー!

 彼女は、現在、晩年のヴェルディが私財を投じて年老いた音楽家たちのためにミラノに建てた「音楽家のための憩いの家」に暮らしている。この「憩いの家」はリタイアした音楽家たちが楽しく余生を過ごすために造られた施設だが、そこで唯一人、現役の歌手として活躍しているのがリナ・ヴァスタである。そんな彼女が6月に再来日してコンサートをひらくので、さっそく話をきいた。

リナ「憩いの家では、規則正しい生活をしていますよ。朝目覚め、朝食をとり、午前か午後にレッスンをして、夜は時折、コンサートがあります。また、リクエストがあれば、憩いの家への訪問者に歌を聴かせてさしあげます。憩いの家には1984年に夫(指揮者のマリオ・パスクァリエッロ)とともに入居しました。憩いの家には、150席ほどのきれいなヴェルディ当時からのサロン(広間)があり、そこで月に2,3回コンサートをひらきます。リクエストがあれば、外に出掛けて歌いますよ。

 私はシチリア島のカターニャ出身です。6,7歳の頃から歌っていました。14歳のとき、初めてステージで《蝶々夫人》の『ある晴れた日に』を歌いました。母から教わった曲です。母は私以上に音楽に情熱を持っていましたが、親が厳しく、歌手になれなかったのです。オペラ・デビューは16歳のとき、《セビリアの理髪師》のロジーナでした。ミラノの郊外の劇場でした。でも結婚後は、夫が、私の歌手活動に反対していたので(ファンが近づいてくるから嫉妬したのでしょう)、私は35歳でオペラの舞台から降りました。これからという時に辞めたので、スカラ座などの大きな劇場で歌うことはできませんでした。歌っていたのはイタリア南部を中心とした地方の劇場ですね。私は、リリコ・レッジェーロで、《ラ・ボエーム》のムゼッタ、《セビリアの理髪師》のロジーナ、《ドン・パスクァーレ》のノリーナなどが得意でした。ヴェルディやプッチーニのアリアも大好きです」


 転機は、憩いの家に入ってから訪れた。

リナ「84年に憩いの家に入居して、少しずつ歌い始めました。88年に夫が亡くなってからは、自由に歌うことができるようになりました。
 日本に来るようになったきっかけは、憩いの家での私のレッスンを偶然聴いた日本人女性(作曲家でオルガン奏者)が私を日本に招いてくださった事からです。99年に初めて来日して以来、今回が5度目の日本です。
 今は、昔歌っていたものを歌っています。《修道女アンジェリカ》のアリアや、《ノルマ》の『清らかな女神よ』などもです。
 声を保つ秘訣は、幼い頃に学んだ正しい歌い方で、歌い続けることですね。もちろん、冷たい風にあたらないとか、アルコールをとりすぎないとか、タバコは吸わないとか、守ってきましたよ」


6月の東京オペラシティコンサートホールでの演奏会はどんな内容になるのだろう?
リナ「これまで歌ってきたことの延長になると思います。オペラのアリアのほか、ナポリ民謡も歌いたいと思っています。既に日本で活躍されているバリトンの上江隼人さん、日本人離れした声を持つテノールの笛田博昭さんにも歌ってもらいます。お二人とも私の優秀な生徒です」

 日本に来る楽しみの一つが刺身を食べること。さすがにシチリア島出身の彼女、なまの魚が大好きという。


[取材・文/山田治生]
[撮影/坂野 則幸]

公演概要

奇跡の歌声 リナ・ヴァスタ
〜ヴェルディ音楽家の家から生まれた感動!〜

<公演日程・会場>
2014/6/8(日) 14:00開演 東京オペラシティ コンサートホール (東京都)

<出演>
リナ・ヴァスタ(ソプラノ)
上江隼人(バリトン)
笛田博昭(テノール)
ヴィンセンツォ・パスカレッロ(ピアノ)

<演奏予定曲目>
ヴェルディ:「運命の力」より、「椿姫」より
プッチーニ:「修道女アンジェリカ」より
イタリア歌曲 他



2014-04-01 12:15 この記事だけ表示
 
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