ローマ歌劇場2014年日本公演、終身名誉指揮者リッカルド・ムーティ来日記者会見レポート![公演情報]

photo : Yasuko Kageyama / Teatro dell'Opera di Roma

 5月19日、ローマ歌劇場2014年日本公演の開幕をひかえ、同歌劇場終身名誉指揮者リッカルド・ムーティ、同歌劇場総裁カルロ・フォルテス、同歌劇場芸術監督アレッシオ・ウラッドの3人が記者会見をひらいた。ムーティは、1975年のウィーン・フィルとの来日以来、フィラデルフィア管弦楽団、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場などと日本を訪れ、日本での指揮が100公演を超えるという

 「私はヴェルディの新しい本(注:『リッカルド・ムーティ、イタリアの心 ヴェルディを語る』音楽之友社刊)を書いたからではありませんが(笑)、みなさんにヴェルディをもっと知ってほしいと思い、《ナブッコ》と《シモン・ボッカネグラ》という彼の2つのオペラをローマ歌劇場と持ってきました。

ヴェルディは、過去や現在ではなく、未来の音楽家なのです。ヴェルディはこれまでも最もよく知られた音楽家の一人でしたが、問題がありました。ヴェルディは、本当に言いたかったことをちゃんと演奏されてこなかったのではないかということです。ワーグナー、モーツァルト、R.シュトラウスなら、敬意をもって、厳格に演奏されているのに、ヴェルディに関してはそうではありません。『ヴェルディ?イタリア音楽でしょう。太陽、海、パスタ、ピザと同じように、幸せな気持ちにしてくれるもの』、そんな感じで受け取られています。ワーグナーやモーツァルトは真摯に聴いても、ヴェルディはどうせイタリア音楽という感じでしか聴かない。その責任を最も感じなければならないのは我々イタリア人です。 イタリアでは、歌手の技巧的なものに興味がいってしまうという悪い習慣があります。しかし、ヴェルディの作品は、技巧に偏らないで、芸術的観点から解釈しなければなりません。ヴェルディは、指揮者や歌手への手紙のなかで『私が書いたとおりに、加えず、削らず、演奏してほしい』と何度も書いています。また、ヴェルディは演出によって作曲家の意図を邪魔されることに反対していました。今回我々が上演する《ナブッコ》と《シモン・ボッカネグラ》は、とても詩的で、ストーリーを物語っていきます。音楽からドラマを感じ取っていただける上演になると思います。

 我々ローマ歌劇場は、オーケストラも合唱も独唱者も、敬意と忠誠をもって、ヴェルディの音楽の演奏に向かいます。今回、私が50年間、戦い続けた成果をお見せしますが、ローマ歌劇場はこの戦いを続けるべきです」

 総勢250名を超える(オーケストラ85名、合唱90名、ソリスト17名、スタッフ70名)ローマ歌劇場の来日公演は5月20日の《ナブッコ》から始まる。

[取材・文/山田治生]


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公演概要

リッカルド・ムーティ指揮 ローマ歌劇場 2014年日本公演

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▼ジュゼッペ・ヴェルディ作曲『ナブッコ』

<公演日程・会場>
2014/5/20(火) 東京文化会館大ホール (東京都)
2014/5/30(金)、6/1(日) NHKホール (東京都)

<キャスト&スタッフ>
指揮:リッカルド・ムーティ
演出:ジャン=ポール・スカルピッタ
出演(予定):ルカ・サルシ/アントニオ・ポーリ/ドミトリー・ベロセルスキー/タチアナ・セルジャン/ソニア・ガナッシ/ローマ歌劇場管弦楽団/ローマ歌劇場合唱団

▼ジュゼッペ・ヴェルディ作曲『シモン・ボッカネグラ』

<公演日程・会場>
2014/5/25(日)、5/27(火)、5/31(土) 東京文化会館大ホール (東京都)

<キャスト&スタッフ>
指揮:リッカルド・ムーティ
演出:エイドリアン・ノーブル
出演(予定):ジョルジョ・ペテアン/エレオノーラ・ブラット/フランチェスコ・メーリ/ドミトリー・ベロセルスキー/マルコ・カリア/ローマ歌劇場管弦楽団/ローマ歌劇場合唱団
2014-05-20 17:25 この記事だけ表示