巨匠ティーレマン × ドイツ音楽の伝統「ドレスデン国立歌劇場管弦楽団」が再共演。2015年2月待望の再来日公演の見所を紹介[公演情報]

 クリスティアン・ティーレマンは、ドイツ音楽界の期待の星として現れ、今やドイツを代表する巨匠指揮者となった。カラヤンやバレンボイムのアシスタントを務めた後、ドイツの地方歌劇場の指揮者を歴任し、1997年にベルリン・ドイツ・オペラの音楽総監督に就任した。2000年にバイロイト音楽祭にデビュー。ベルリン・フィルやウィーン・フィルにも登場。2013年には東京でウィーン・フィルとベートーヴェンの交響曲全曲演奏を完遂した。もちろんウィーン国立歌劇場でも熱狂的な人気を得ている。フルトヴェングラーなど、かつてのドイツの巨匠を思わせる重厚な音楽作りは、特にベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー、R.シュトラウスなどのドイツ音楽において、他の指揮者の追随を許さない。そして、ティーレマンは、ミュンヘン・フィルの音楽監督を経て、2012年にドイツで最も伝統のあるドレスデン国立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ドレスデン)の首席指揮者に就任した。


緻密さ、そして柔らかで優美な音色…

 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団は、世界で最も古いオーケストラの一つである。その起源は1548年にザクセン選帝侯モリッツによって創設された宮廷聖歌隊と宮廷楽団にまで遡る。また、シュッツ、ウェーバー、ワーグナー、R.シュトラウスなど、ドレスデンの宮廷楽団や宮廷歌劇場に深く関わった指揮者や作曲家の顔ぶれが凄い。

 彼らの一体感のある演奏は本当に素晴らしい。まさに息を合わせることによって作り上げられるアンサンブルの緻密さ。そして、柔らかで優美な音色がたいへん魅力的である。彼らの深みのある表現はブルックナーの交響曲で威力を発揮する。また、歌劇場のオーケストラでオペラをよく知っているのも彼らの強みだ。特にR.シュトラウスの作品での表現力には伝統の力を感じる。

 ティーレマン&ドレスデン国立歌劇場管弦楽団のコンビは、2013年に初来日し、ブルックナーの交響曲第7番を披露した。テンポの自在さ、深い呼吸など、今の指揮者ではなかなか聴くことのできないようなスケールの大きな演奏だった。今回は、ブルックナーの最後の交響曲である第9番が演奏される。ブルックナーが人生の終末にたどり着いた激烈な音楽と生への訣別。ティーレマンとドレスデン国立歌劇場管弦楽団がどのように描くのであろうか。

 また、今回、彼らはリヒャルト・シュトラウスの作品も取り上げる。シュトラウスとドレスデン国立歌劇場との関係は特別だ。「サロメ」、「エレクトラ」、「ばらの騎士」、「アラベラ」など、彼の9つのオペラがドレスデンで初演されている。そんなシュトラウスの音楽を知り尽くしたドレスデン国立歌劇場管弦楽団が、「英雄の生涯」や「メタモルフォーゼン(変容)」などを奏でる。シュトラウス自身を描く、彼の管弦楽曲の集大成ともいえる「英雄の生涯」。ティーレマンにとっても、かつてウィーン・フィルと録音したことのある、十八番のレパートリーである。なかでも「英雄の戦い」での凄まじい表現には圧倒されることだろう。「メタモルフォーゼン」は、23の独奏弦楽器のための作品。ドレスデン国立歌劇場管弦楽団の弦楽器セクションの素晴らしさを堪能するには最適の曲である。シュトラウスの最晩年の作品をティーレマンがどう指揮するのかも楽しみだ。

 ティーレマンとドレスデン国立歌劇場管弦楽団のそれぞれが最も得意とするレパートリーを披露する、2015年2月の来日公演が本当に待ち遠しい。

[文/山田治生]


公演概要

ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 ティーレマン指揮


<公演日程・会場>
■2015/2/22(日)  横浜みなとみらいホール 大ホール (神奈川県)
曲目・演目:
R.シュトラウス:メタモルフォーゼン(変容)
ブルックナー:交響曲第9番

■2015/2/23(月) サントリーホール 大ホール (東京都)
曲目・演目:
ワーグナー(ジークフリート牧歌)/R・シュトラウス(交響詩「英雄の生涯」)

■2015/2/24(火) サントリーホール 大ホール (東京都)
R・シュトラウス(メタモルフォーゼ)/ブルックナー(交響曲第9番ニ短調)


<キャスト>
クリスティアン・ティーレマン(指揮)




2014-08-27 20:01 この記事だけ表示
 
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