西本智実プロデュース オペラ『蝶々夫人』が2015年5月、新橋演舞場で東京初演![公演情報]

 2014年2月に伝統ある京都の南座でのオペラ『蝶々夫人』の全幕上演を成功させた西本智実が、15年1月31日・2月1日に再び南座で『蝶々夫人』を上演する。そして、その公演が、5月26・27日に東京の新橋演舞場で初上演されることになった。南座では祇園の芸妓が、新橋演舞場では新橋の芸者衆が、舞台に彩りを添える。

海外でも反響を呼んだ西本演出の『蝶々夫人』

 「『蝶々夫人』で本物の芸妓さん舞妓さんを出演させるのは、南座での公演が、世界でも初めてのことでした。歌舞伎の劇場である南座での上演は、花道を効果的に活かして、廻り舞台も使いました。提燈も含めて照明にもこだわりました。振付は井上八千代さんにしていただきました。今回の新橋演舞場での公演は、京都で作った舞台の東京初進出になります。東京では新橋演舞場の特徴を活かした舞台になるでしょう」

 この『蝶々夫人』で、西本智実は、指揮だけではなく、演出も手掛けていている。そして、 南座での初演は、既に海外でも反響を得たという。

 「記録用に録ったビデオを海外のオペラ関係者に見せたところ、『このまま舞台を持ってきてほしい』と言われました。既に世界のいくつかの国からオファーが来ています。『蝶々夫人』は、日本と西洋をつなぐ私のアイデンティティを発揮できる作品だと思っています」

 西本と南座の結びつきは、2010年のジルベスターコンサート(大晦日演奏会)。それは400年の歴史を誇る南座での初めてのクラシック・コンサートであった。2012年の南座でのコンサートでは『蝶々夫人』の抜粋を取り上げた。そして、2014年、遂に全幕上演。

 「南座にはオーケストラ・ピットがないので、オーケストラ(弦楽器の人数を減らします)を舞台の端に置きます。クラシックのホールとは違って響かないので、歌手はそれにふさわしい歌い方をします。イルミナートフィルハーモニーオーケストラも最善を尽くしてくれると思います。打楽器に関しては響きすぎないことが作品に合っています」

 イタリアの作曲家プッチーニが作曲した『蝶々夫人』には、「さくらさくら」「君が代」「お江戸日本橋」など、日本の旋律も数多く出てくる。それらはプッチーニ自身が駐ローマの日本公使の夫人から直接採譜したものである。

 「プッチーニは音楽のキャラクター設定が巧みです。たとえば、蝶々さんが領事シャープレスに初めてピンカートンとの間にできた子供を見せるとき、皮肉にも豊年節の旋律を使います。そういうところでは、私は指揮者として、力を入れて反抗的に表現してみます」

 蝶々夫人役は佐藤路子と青木エマのダブル・キャスト。「きれいな方で声質も蝶々さんに合っている」という。アメリカ海軍士官のピンカートンには、イタリアからジャンルーカ・シャルペリッティが招聘される。

 「『蝶々夫人』の公演は私の人生のなかでも大きな出来事です。伝統工芸などにも見られる日本の繊細な感性を広く世界に紹介する時期にきているのかなと思います。『蝶々夫人』は切なく美しいドラマですが、現実の話をもとにしていて、そんなに遠い話ではありません。オペラを観たことのない人にも是非観ていただきたいと思います」

[取材・文/山田治生]

公演概要

西本智実プロデュース
座オペラ in 新橋演舞場 〜 オペラ『蝶々夫人』全幕上演 〜


<日程・会場>
2015/5/26(火)〜5/27(水)新橋演舞場 (東京都)

<キャスト・スタッフ>
指揮・演出:西本智実

出演:
佐藤路子
青木エマ
ジャンルーカ・シャルペリッティ
田中勉
中井亮一
野上貴子
松岡万希

演奏:イルミナートフィルハーモニーオーケストラ

2015-01-07 12:42 この記事だけ表示