上月光のこのオペラを観に行こう!「東京のオペラの森」[公演情報]
オペラと聞くと「難しい」「長い」「分からない」といった意見を良く聞く。「ミュージカルやバレエや歌舞伎は好きだし、オーケストラや合唱は聴くけどオペラはちょっと」、という人も多いようだ。そのほとんどが、まったくオペラを見たことがないか、もしくは最初によほど質の低いオペラを見てしまったか、もしくは予習をせずに観劇へ行って、何だか分からないまま終ってしまったかであろう。なぜならオペラは非常にリピーター率の高い娯楽で、質の高い公演をキチンと見れば、必ずまた、この非日常の快楽に身を委ねたくなる違いないからだ。

しかも世界屈指の音楽都市となった東京は、質の高い海外のオペラハウスは毎月のように来日し、日本が誇る新国立劇場は1年を通して上演し、二期会や藤原歌劇団等も頑張っている。そして、現在はほとんどのオペラが原語で上演され、しかも字幕スーパーが付いているので、言葉の問題もまったくない。

このように海外、国内のオペラ団体が百花繚乱の中、ちょっと異彩を放っているのが「東京のオペラの森」だ。東京から新しい芸術を発信すべく東京都などが中心になって2005年から始めた企画で、2008年4月には第4回を迎える。ここの公演は、まず芸術監督に世界の小澤征爾を迎え、演出は新進気鋭の若手を起用し、海外の一流歌劇場と共同制作という形を取っている。また歌手陣は海外から実力派のアーティスト達を呼び、オーケストラや合唱団も小澤が厳選したメンバーが国内外から集まり、これで良いオペラが出来ないはずがない。

さて今回の演目はチャイコフスキーの傑作オペラでロシアオペラ史上の金字塔「エフゲニー・オネーギン」。文豪プーシキンの作品にチャイコフスキーが美しく切ない音楽を付け、素晴らしいオペラに仕上がった。ロシア語という原語上の問題で上演回数は少ないが、若者達の哀しくも情熱的な恋愛模様は胸に迫る。

上月光(音楽評論家)


2007-10-02 10:39 この記事だけ表示
 
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