いよいよ開幕迫る!26年振りの来日『ドレスデン国立歌劇場』[公演情報]
初演した歌劇場が、作品の最前線を見せる、聴かせる!
伝統と進取の精神が高い次元で融合したドレスデン国立歌劇場。


 その歌劇場ゆかりの作品を引っさげての来日公演は珍しくないけれど、ドレスデン国立歌劇場については、ほかとは次元が違うと言っていいだろう。今回、日本に持ち込まれる「タンホイザー」「ばらの騎士」「サロメ」の3演目が、すべてこの劇場で初演されているのはもちろん、とりわけR・シュトラウスについては、「サロメ」を皮切りに、なんと彼のオペラのうち9作品がここでの初演。ドレスデンを語らずにシュトラウスは語れないほど、深い縁で結ばれているのである。

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かといって、伝統にあぐらをかいているわけではない。たとえば今回のペーター・ムスバッハによる《サロメ》の演出は、プールのような無機的な舞台で思いがけない展開をみる。ウヴェ=エリック・ラウフェンベルク演出の《ばらの騎士》も、ファニナル邸はまるで高層ビルのペントハウス。100年前の作品に現代の息吹が吹きかけられている。
 実は、こういう姿勢こそがドレスデンの伝統といえるのだ。たとえば《サロメ》の、極彩色のオーケストレーションで彩られた世紀末的な退廃の世界は、1905年の初演当時には、かなり前衛的に聞こえたはずだ。それを積極的に受け入れ、1909年には、さらに前衛を極めた《エレクトラ》を初演、11年の《ばらの騎士》へと続いていく。その進取の精神こそが、ドレスデンに脈々と受け継がれている伝統と言っていいだろう。
 2つのR・シュトラウス作品を指揮するのが、満を持して音楽総監督に就任したファビオ・ルイジ。イタリア人だが、勉強したのがオーストリアなら、活動の中心もドイツ語圏という彼が最も得意とするのがシュトラウス。オーケストラを中心としたこの歌劇場のポテンシャルを考えれば、否応にも期待は高まる。

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 さて、もうひとつ。《タンホイザー》も1845年にワーグナーが初演の地はドレスデンだ。しかし、来日公演のプロダクションは1861年のパリ版が選ばれている。これはワーグナー自身が、第1幕にバッカナールというバレエ音楽を追加すると同時に、オーケストレーションにも手を加えた“発展型”。おらが町で初演された当時の姿にこだわらず、より“中身が濃い”ものを選ぶ姿勢もドレスデンらしい。そして演出は、単なる読み替えではない“深読み”によって、作品の奥の奥から本質をつかみ出してしまうペーター・コンビュチュニー。はて、何を見せてくれるか、興味は尽きない。

香原斗志(かはら・とし)◎音楽ジャーナリスト

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2007-11-06 22:44 この記事だけ表示
 
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