Cool Groovin' 中西俊博 Live Report〜Leapingbow 2008〜[公演情報]
時に優しく、時に先鋭的に美しく豊かなメロディを紡ぎ、自身のライヴはもちろん演劇や映像作品の音楽監督も務め、多岐に渡り活躍するヴァイオリニスト・中西俊博。活動だけでなく、音楽性もジャズ、ポップス、フュージョン、エスノなど幅広い中西だが、2006年からまた新たな展開をバンド・スタイルで仕掛けている。シリーズの名は「Cool Groovin'」。5人のフィドル・セクションと、尖った若手ミュージシャンを従えた11人編成のバンドが奏でるのは、ホットなビートとクールなセンス&テクニックが渾然一体となったクロスオーバー・ミュージック。そんな、ライヴであることの魅力がギュッと詰め込まれた彼らのサウンドが08年1月、青山円形劇場に帰ってくる! そこで10月に渋谷JZ bratで行われた、プロローグとも言えるライブをレポート。彼らが生み出す未体験のノリとグルーヴの片鱗をお届けしよう。彼らのさらなる「進化」を目撃するチャンス、絶対に逃すな!!

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2007年10月14日
Nakanishi Toshihiro
Cool Groovin' in JZ Brat


 ここ渋谷JZ Bratは06年に中西が新たなバンドを立ち上げた場所、つまり「Cool Groovin'」誕生の地だ。4回目にしてホームに帰って来たこの日のライブは、一部は「Cool Beat Section」、二部
を「Hot Fiddle Section」と名づけ、曲目もまったく違う大胆な二部構成になっていた。 


  第一部の始まりは、中西のヴァイオリンとドラムスが絡み合う「Improvisation」から。ねっとりとアヤしいメロディが、 ギター・ベース・ピアノらミュージシャンを呼び込み、厚みを増していく「音」が冒頭からガッチリと観客を鷲づかみにする。冒頭のMCで中西は「いつかクラブへ進出して、その場の全員を踊らせるのが野望」と言ったが、このバンド紹介を兼ねた挨拶はこれまでのライブでも繰り返されたこと。「踊れる音楽」をめざすバンドらしく、演奏は「Scratch Paper」「Solid Vision」「Some Skunk Funk」まで一気にメドレーで突き進み、その卓越したテクニックとドライヴ感を客席にガンガンぶつけてくる。エフェクターをたっぷり利かせてひずませたギター、ヴァイオリン+ヴォイス・サンプリング、加工なしの生音ながらクラブ・ミュージック特有のタイトなリズムと音を自在に生み出すドラムス、正確さと遊びが絶妙のバランスで行き来するピアノ&ベース。バンドリーダーよりかなり世代若い(失礼!)才能溢れるミュージシャンたちが作るリズムの上を、中西のヴァイオリンは奔放に走り回るようだ。
 そして「Slow Hot Wind」からはお待ちかね、フィドル・セクションの登場。5人の女性ヴァイオリン奏者はすべて中西の指導を受けた教え子たちで、そのせいかアンサンブルの息の合い方などお見事のひとこと。「Milestones」では一人一人が短いフレーズをアドリブで演奏し、それを何周かリレーさせていくパートがあり、それぞれの個性が垣間見える好演出だった。厚みを増したヴァイオリンのメロディと、リズム・パートはさらに激しく絡み合い、会場の温度は次第にアップ。ラストの「Cooley's Reel」は、「ヴァイオリン6人の編成だからこそ演奏できる、アイリッシュのダンス・ミュージックを」という新バンドの柱であもるアイリッシュミュージックの代表的なナンバー。テーマとなるフレーズの繰り返しは、客席を挑発するように力強さを増して行き、それに応えた割れんばかりの拍手が第一部のフィナーレを飾った。

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 続く後半戦「Hot Fiddle Section」にも、続けて参加の聴衆がかなりいる様子。この状況を予測済みだったのか、二部は最初からフィドル・セクションがスタンバイ。「うたげ」「Reel Around The Sun」「Poema」までは、ヴァイオリンがリードしドラムなしの演奏で幕を開けた。ここでもまた、主旋律を奏でる6人のヴァイオリニストは一糸乱れぬユニゾン演奏を披露。「特訓の上に特訓を重ねているから」とニヤリと笑った中西の言うとおり、全員が高度な演奏技術を身につけていることはもちろん、中西の理想とする音楽に対しての理解と共感との深さ・高さが、この奇跡的な演奏を実現しているように思えた。また三曲目、むせび泣くような中西のソロが会場に染みとおるように響いた「Poema」は、古くからのファンにもうれしいナンバーだった。
 5曲目「Rodeo Reel」からは、再びフル・メンバーが舞台上に勢ぞろい。都会的なジャズ、中西スタイルとも言うべきメロディアスなポップス、情熱的なジプシー・ミュージックなど、様々な要素とイメージをたくみに混在させたオリジナル曲を畳み掛けるように演奏していく。客席は興奮を通り越し、音楽のうねりにただ翻弄されるのを楽しむかのように揺れていた。

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 そしてアンコールに選ばれたのは冒頭で演奏した「うたげ」。演奏のクライマックスでは、中西を筆頭にメンバーのほぼ全員が自分たちの繰り出すリズムに合わせ、ステージ上で軽快に飛び跳ねているのだ! 中西がめざす「その場の全員が踊り出す音楽」とはつまり、「自分たちも踊りたくなる音楽」でもある。はじめは外から流れ込んで来た音楽が、体内からの響きと溶け合い、自然と体が動き出す。どこか原始的な喜びを中西俊博とCool Groovin'の音楽は喚起させ、その一番の具現者が演奏している彼ら自身なのだ。
 その「喜びの躍動」は、Liveで体感するほかない。


ヴァイオリン:中西俊博
ドラムス:KAGE
ギター:円山天使
ベース:鳥越啓介
ピアノ:清水絵理子
プログラミング:井内求生
ヴァイオリン:伊藤彩、武内いづみ、maiko、佐藤桃子、浅沼杏花

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SET LIST
<1st. Cool Beat Section>
Improvisation
Scratch Paper
Solid Vision
Some Skunk Funk
Slow Hot Wind
American Wake
Milestones
Cooley’s Reel


<2nd. Hot Fiddle Section>
うたげ
Reel Around The Sun
Poema
Luki
Rodeo Reel
Mr.G
Episode

En. うたげ
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2007-12-26 19:21 この記事だけ表示
 
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