左:内田光子(C)Richard Avedon
右:ハーゲン・クァルテット(C)Harald Hoffmann

 イギリス在住でデイムの称号を持つ世界的ピアニスト、内田光子。昨年はクリーヴランド管弦楽団を弾き振りしたモーツァルト・アルバムがグラミー賞を受賞した。そんな彼女が、人気実力とも現在最高の弦楽四重奏団であるハーゲン・クァルテットと、シューマンとブラームスのピアノ五重奏曲を共演する。また、リサイタルでは、シューベルトの最晩年の三大ソナタを披露。ますます円熟味を増す内田光子の演奏は聴き逃せない。


 今は日本人アーティストが国際的に活躍することが珍しくなくなったが、世界中の音楽ファンが知っている、本当の意味での世界的な音楽家といえば、指揮者の小澤征爾、ヴァイオリニストの五嶋みどり、そして、ピアニストの内田光子の3人に違いない。イギリス在住の内田は、デイムの称号を持ち、今年はクリーヴランド管弦楽団を弾き振りしたモーツァルトのピアノ協奏曲第23番、同第24番でグラミー賞を受賞した。昨年は、カーネギーホールでベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を演奏。また、以前に録音した、モーツァルトのピアノ・ソナタ全集やピアノ協奏曲全集が今も高い評価を受けている。まさに世界が注目するピアニストだ。
 そんな彼女が、現代最高の弦楽四重奏団であるハーゲン・クァルテットと共演し、シューマンとブラームスのピアノ五重奏曲を演奏する。オーストリアのハーゲン兄弟を中心に結成されたハーゲン・クァルテットは、アルバン・ベルク・クァルテット解散後の現在、人気実力ともにトップにいるといえるだろう。ヴィオラのヴェロニカ・ハーゲンやチェロのクレメンス・ハーゲンは、ソリストとしても一流。内田とハーゲン・クァルテットの共演は、日本では初めて。どんな化学反応を起こすか、まさに興味津々だ。
 また、内田はソロ・リサイタルもひらく。今回はシューベルトを中心としたプログラムが演奏される。シューベルトはモーツァルトとともに、内田が最も得意としているレパートリーだ。シューベルトのピアノ・ソナタ第19番(D.958)、同第20番(D.959)、同第21番(D.960)は、3つとも彼の死の年に書かれた、まさに最晩年の作品。時間の流れが止まったような雄大な音楽に死の影が忍び寄る。最晩年といってもまだ30歳を越えたばかりのシューベルトが描く死の影は切なく美しい。円熟味を増した内田がとびきり磨かれた音色でシューベルトの澄んだ心境に迫るに違いない。


(文/山田治生)


2011-05-24 20:00 この記事だけ表示

写真:塩澤秀樹

 西本智実の指揮する「夢の第九コンサート」が今年も開催される。一般から合唱を募り、西本智実とともに数千人で「第九」を歌い上げる感動のコンサート。昨年は日本武道館でひらかれたが、今年は東京国際フォーラムAが会場となる。


「『第九』の合唱は一つの団体や複数の団体でやることが多いですよね。このコンサートの合唱は個人参加なのです。もちろん、ラジオを通じてレクチャーしたり、前もってリハーサルはします。それでも、合唱の全員と合わせるのが、本番当日のリハーサルと本番だけなので、指揮者としては恐怖感もあるのですが、昨年、このコンサートをさせてもらって、各自が作品に対して熱心に取り組んだ結果、ちょっとありえないような統一感やハーモニーの美しさが生まれ、まさかと思うようなクオリティの高い演奏になりました。
 もちろん、日本武道館という広い空間には時差があるのですが、大きなズレもほとんどありませんでした。合唱のみなさんの集中力というか、意気込み、参加意識の高さを感じました。
 日本武道館では、まわり360度、合唱でしょう。それをまとめていくにはエネルギーの消耗がすさまじかったです。2日続けては指揮できませんね(笑)」

昨年の成功を受けて、今年のコンサートはどうなるのだろう?
 「今年は大きな震災があり、去年とは違った意識が参加される方の中にも生まれると思います。シラーの詩のとらえ方や認識が変わってくるはずです。つまり、レクチャーで説明されてもなかなか心に入ってこなかった詩の、行間も含めて、一つの単語、文などの感じ方が変わってくると思います」
 人類愛を歌い上げるシラーの詩は、今のような困難な時代にこそ、深く共感することができるのであろう。

それでは、西本にとって、ベートーヴェンの音楽の素晴らしさはどこにあるのだろうか?
 「『第九』は、ベートーヴェンの集大成です。私は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタが好きで、彼の交響曲を指揮するときも、形式などでピアノ・ソナタを意識します。『第九』には、古典的な様式美やすべての形式を超越した素晴らしさをいつも感じます。古典的な様式美を超越して、新しい様式が生まれているのを感じるのです。私はもともと作曲出身ですから、作品のフォーム(形式)に一番興味があります。『第九』は、そういうフォームすら外れて、越えているのです。オーケストレーション(管弦楽法)もそうです」

数千人もの大合唱で歌う場合、最も難しいのはタイミングを合わせることに違いない。合唱に参加する人はどうすればよいのだろうか?
 「去年、予想していたよりも各自のレベルが高かったので、今年は、心配する箇所を変えようと思います。昨年の、何千人もの人が遅れずに出られるかというほとんど基礎的な、初歩的な心配は無駄でした。去年に引き続き今年も来てくださる方にも、また新しい方にも、もう少し高いレベルを要求して、アプローチして、みんなで今年のベストの『第九』を歌い上げられればよいと思っています。
 合唱のみなさんにゲネ・プロ(当日のリハーサル)でお願いしたのは、『みなさんの本能を信じて歌ってほしい』ということでした。指揮を映す大きなモニターを使うと、それだけで合唱のタイミングは遅れ気味になります。また、音楽の難しいところで、周りを聴いて歌うと遅れてしまいます。それが何千にも合わさるとたいへんな事故になりかねません。そういうときに、映像の指揮の何秒前に歌うとか決めるのも本当に危険なのです。そうではなく、本能にしたがって歌ってください」
 何かに頼るのではなく、本能にしたがうことこそが合唱の一体感を生むのであろう。
 西本は、この「夢の第九コンサート2011」を鑑賞するコンサートというよりも、参加するコンサートだという。
 「まず、参加していただきたい。とにかく参加するコンサートです。日本の方はまじめで、『やったことがない』とか、『声が出ない』とか言われますが、是非、やってみてほしい。全部歌えなくても、数小節だけでもいいんです。私も指揮するよりも歌いたいくらいです(笑)。歌う喜びには感動的な瞬間があります」

この「夢の第九コンサート」で締め括る2011年。西本智実は、今年も、ヨーロッパやアメリカに飛ぶ。
 「5月は、イタリアに行き、2009年に大地震の起きたラクイラで震災復興コンサートを指揮します。日本の震災復興の意味も込めて、ラヴェルの『ボレロ』やイタリア国歌のほか、日本国歌も取り上げます。その後、ロシアに行き、ロシア国立交響楽団で首席客演指揮者就任定期演奏会を指揮してきます。そして彼らと日本に来ます。そのほか、クロアチアの音楽祭にも参加します。11月に、昨年に引き続きアメリカに行って、ウェストチェスター交響楽団を指揮します。パールマンが音楽監督を務めているオーケストラです。去年、新天地のつもりでアメリカに行って、指揮したのですが、アメリカにはロシア系のプレーヤーが多く、むしろ、懐かしい感じがしました。」
 首席客演指揮者を務めるロシア国立交響楽団とは、今年2月にチャイコフスキーの交響曲第5番を録音し、最近、そのCDがリリースされた。5月後半に彼らとの日本ツアーが予定されていて、そこでもチャイコフスキーの交響曲第5番を振る。指揮者として学び、研鑽を積んだロシアに戻り、ロシアを代表するオーケストラのポストに就いたことは、彼女を一層進化させるに違いない。

 また今年4月に、西本は、新しくオープンしたオリンパスホール八王子(新八王子市民会館)のエグゼクティブ・プロデューサーに就任した。5月4日に、新日本フィルを相手に開館記念コンサートを指揮したばかり。
 「オペラや舞台を制作していきたいです。オペラはコストがかかりますが、それを省く方法は?こういう可能性は?という方向でこの秋に『トスカ』を上演する予定でしたが、震災の影響で今年度は延期になりましたが、オペラ制作はゆっくりと温めて作っていきます」
 今年、ロシアだけでなく、日本でも責任あるポストに就いた西本智実は、ますます充実した指揮活動を続けていくことだろう。大いに期待したい。


(取材・文/山田治生)



2011-05-23 19:07 この記事だけ表示

左:下野竜也 (C)Naoya Yamaguchi
右: 小森谷巧

 3月11日に発生した東日本大震災に伴う復興支援のチャリティーコンサートが決定!
 被災地、被災者のため、読売日本交響楽団の正指揮者下野竜也や、読売日響コンサートマスター小森谷巧の呼びかけで、NHK交響楽団と読売日本交響楽団など在京8大オーケストラを中心とした全国のアーティスト達が集う。そして、今最も注目されるピアニスト辻井伸行もこのチャリティーに賛同。出演が決定しました!


日時:2011年5月24日(火) 午後7時開演
会場:サントリーホール
出演:がんばろう!日本 スーパーオーケストラ
【主な出演者】高関健、広上淳一、下野竜也(指揮)、小森谷巧(読売日響コンサートマスター)ほか、有名ソリストや国内のオーケストラで活躍する演奏家有志によるオーケストラ
司会:小倉弘子(TBSアナウンサー) 小森谷徹(キャスター)
チケット:3,000円

※当日はロビーにて義援金の募金活動を行い、毎日新聞東京社会事業団を通じて日本赤十字社に寄付します。

下野 竜也さんのメッセージ

音楽で出来ること、出来ないことは何か?
しかし、迷っている時間はありません。私たちの演奏を、今は直接被災地の皆さんに聴いて戴けないかもしれませんが、これからの復旧、復興への一助となることを願い、奏でさせていただきます。
1st.May.2011

小森谷 巧さんのメッセージ

私のような、一音楽家が出来ることは小さな事かと思います。しかし、このような大震災に接し音楽を通して東日本の皆さまに勇気をお届け出来ましたらこの上ない喜びです。
オーケストラというチームがひとつになって発する力を信じ今こそ音楽の持つパワーをお届けしたいと思います。
29th.April.2011


2011-05-09 19:05 この記事だけ表示

写真:坂野 則幸

今回のチャレンジプレは、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団のプリンシパル、ツァオ・チーの来日を記念して、『ツァオ・チー満喫! バレエ×トークショー×映画 特別割引チケット』の発売を実施します。

昨年公開され大きな話題を呼んだ、映画「小さな村の小さなダンサー」にも主演し、「中国のバレエ王子!」として注目を集めているツァオ・チー。今回は、そのツァオ・チーをとことん満喫していただける特別企画をご用意しました。

<なんと!>
英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団ツァオ・チー主演公演が、
【優待価格A券 ¥16,000 → ¥10,000】

<さらに!>
ツァオ・チーが主演した映画「小さな村の小さなダンサー」特別上映会にご招待。東京での上映は好評のうちに終了しておりますので、大スクリーンでこの名作を見られる、貴重なこの機会を見逃すことはできません!

<さらに、さらに!!>
特別上映会にはツァオ・チーも来場! プレトークを実施します!定員70名の小さな試写室ですので、間近でツァオ・チーのトークを お楽しみいただけます。

今回の条件は、受付期間中に50名様以上のお申し込みで成立になります。ぜひお申し込みくださいませ!

▼「眠れる森の美女」 全3幕プロローグ付

▼「真夏の夜の夢」「ダフニスとクロエ」

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招聘元NBSに届いた、ツァオ・チーのメッセージ

日本のファンの皆様へ

まず初めに、被災されました皆さまに心からお見舞い申し上げます。

3月11日の大震災発生時、私は日本にいました。そこで日本の皆様が、冷静さ、勇気を失わずに、恐ろしい事態に立ち向かっている姿に大変驚かされました。

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の日本公演まであと3週間となりましたが、公演まで練習を重ねて、最高の舞台を日本の観客の皆様に お見せできればと思っています。

私に勇気の本当の意味について教えてくださり、ありがとうございます!

愛をこめて

ツァオ・チー



チケットについて

【限定50名】チャレンジプレ 『ツァオ・チー主演公演 特別割引「小さな村の小さなダンサー」特別上映会付チケット』

■対象公演:
英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団ツァオ・チー主演公演
 [1]「眠れる森の美女」(5/21 18:30)
 [2]「真夏の夜の夢」(5/28 15:00)

■特典内容:
 [1]A券 ¥16,000 → ¥10,000
 [2]「小さな村の小さなダンサー」特別上映会ご招待

■受付期間:
5月2日(月)12:00〜5月9日(月)12:00

■結果発表:
5月10日(火)

※成立条件:各公演日50枚以上
※先着順ではありません。申込み多数の場合は、抽選となります。
※お申込みが目標枚数に達しなかった場合は、受付無効となります。 (決済は行われません)

▼「眠れる森の美女」 全3幕プロローグ付

▼「真夏の夜の夢」「ダフニスとクロエ」

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【関連特集】
英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団プリンシパル、ツァオ・チー独占インタビュー

2011-05-02 16:48 この記事だけ表示

 新日本フィルMusic Partner of NJPダニエル・ハーディング指揮によるチャリティ・コンサートを開催することが決定いたしました。

 3月11日14:46に起こった東北地方太平洋沖地震。自身も東京で震度5を体験し、その後も津波や原発事故の報道をリアルタイムで目の当たりにしたダニエル・ハーディングは、外国人の早期離日が相次ぐなか最後まで演奏会の開催を希望し滞在を続けました。そしてやむを得ず公演中止となり日本を後にする際、「6月の来日では必ず3月に来られなかったお客様のために、そして災害に遭われた方のためのコンサートを」と話しました。今回の公演はこうしたハーディング本人の強い希望により実現したものです。

ハーディング・新日本フィル チャリティーコンサート
―3.11 東日本大震災、明日への希望をこめて―

日時:2011年6月20日(月)19:15開演
会場:すみだトリフォニーホール
指揮:ダニエル・ハーディング(新日本フィルMusic Partner of NJP)
曲目:マーラー作曲 交響曲第5番 嬰ハ短調

本公演のチケットは5/7(土)10:00〜一斉一般発売開始。
イープラスではお好きなお席をお選びいただける【座席選択】での発売です。


ダニエル・ハーディングより今回の公演に関してコメントが届きました。

Music Partner of NJP ダニエル・ハーディングよりメッセージ

3月11日の午後、新日本フィルとのマーラー交響曲第5番のゲネプロへ向かうために、私は都内を車で移動中でした。その日の午後、そしてその後の数日間に起きたことは、まさにこの日を境にして、私の音楽に対する考え方を、永遠に大きく深めていくことになるでしょう。

私たちと同様にその日の出来事に当惑しショックを受けながらも、当日会場にお越しになった僅かなお客様のために、私たちはその晩、すみだトリフォニーホールで演奏しました。その日は私にとって「Music Partner of NJP」として最初の、まさにこの瞬間を待ち望んでいた演奏会だったのです。しかしながら事態は一転し、悲劇と悲しみによって形を変えてしまったのです。地震当日、そしてその後に続いた日々に日本にいた私たちは、身をもって経験したことや東北地方から伝えられる悲惨な有り様を決して忘れることはないでしょう。

私は過去13年以上もの間、多くの時間を日本で過ごすことができるという幸運に恵まれました。その間に私は日本という国が大好きになり、日本の人々に対して大きな尊敬の念と温かさを感じるようになりました。3月11日に私が日本に滞在していたこと、そして地震や津波によって甚大な被害を受けたにもかかわらず、人々の威厳と勇敢さを目の当たりにしたことは私の心に深く刻まれました。それから5日後に私は日本を発つことになりましたが、日本を離れる際にいつも感じる寂しさを今回はより一層強く感じたのです。まさに後ろ髪を引かれる思いでした。

私たちの地球は生きています。このような悲劇や悲しみをもたらす地質学的活動がなければ、地球上に生命は存在しません。これは退屈でつまらない矛盾で、ずたずたに傷つけられた人々に何の安らぎももたらしません。人間が作り出した偉大な創造物の中で、恐らく音楽はそうした苦しみの大きさや背景を理解することの助けになります。また音楽は私たちを癒してもくれるのです。

未曾有の災害でした。日本の方々が復興に立ち向かう類まれで超人的な献身さや努力を世界中の人々が見ています。その作業に没頭し犠牲を厭わない姿勢に、世界はまさに感動し驚愕しているのです。日本が以前にも増して強靭でより偉大に復興することに疑問の念を抱く者は一人もいません。音楽家として、美しく示唆に富む音楽を通じて、人々に幸福と感動、生きる力と勇気を与えられることができればと思います。

このチャリティー演奏会においてマーラー5番を演奏できることは私にとってこれ以上ないことです。この作品は愛、悲劇、生命と死を描いた壮大な物語です。この交響曲を指揮することは私にとっていつも特別ですが、特に今回は、震災で亡くなられた方々、愛する人を失った方々、住む場所や生きる力を失った全ての方々に全身全霊を込めて捧げたいと思います。

後に、このチャリティー演奏会の実現に向けてご尽力頂いた新日本フィル及び関係者の皆様に、この場を借りて心から御礼申し上げます。


Original Message From Daniel Harding

On the afternoon of March 11 I was in a car driving across Tokyo for a general rehearsal of Mahler's 5th Symphony with the New Japan Philharmonic. What happened that afternoon, and in the subsequent days, will colour the way I think of this music for ever.

That evening we played a concert together in Sumida Triphony Hall for a tiny audience of those who had made their way to the concert hall, as bewildered and shocked by the events of the day as we were. This was my first concert as Music Partner of NJP. A concert we had all been looking forward to for a long time, a moment for celebration. However, as it turned out, it was a moment touched by unimaginable tragedy and sadness. None of us who were in Japan on that day, and in the following week, will ever forget what we experienced and the horrendous news and images coming to us from the Tohoku region.

I have had the privilege of spending much time in Japan over the last 13 years. Yours is a country I have come to love very deeply and I feel an enormous respect and warmth for the Japanese people. For me to be in Tokyo on March the 11th, and to experience the dignity and bravery of those so deeply affected by the earthquake and tsunami, was a humbling and touching experience. It was with a heavy heart that I left for Europe 5 days later. In the past I have often missed Japan after departing, this time the feeling was more intense.

Our planet is alive. Without the geological activity that causes such tragedy and suffering there would be no life on Earth. This is a mind-numbing paradox and can bring no comfort to those whose lives have been ripped apart. Maybe music, amongst the many great achievements of mankind, can help us to try to comprehend the magnitude and the context of such suffering. Maybe music can also help us, in the smallest way, to begin to heal.

This has been a disaster of unprecedented scale. All over the world now people look to Japan and the extraordinary, almost superhuman, dedication and effort of the Japanese people to rebuild. We are all moved and inspired by this devotion and sacrifice. There is no doubt in any of our minds that Japan will recover even stronger and even greater than before.
As musicians we can try to provide those in need with happiness, emotion, vitality and courage through beautiful and thought-provoking music.

It seems absolutely appropriate to me to play Mahler's 5th on the occasion of this charity concert. It is a great discourse and meditation on Love, Tragedy, Life and Death. In this concert, and indeed every time I again have the privilege of conducting this symphony, I would like to dedicate it to those who lost their lives, their loved ones, their homes or their livelihoods during those days in March.

I would also like to express my deep thanks and gratitude to the organisers of this charity concert and also to the NJP for all of their understanding and gracious cooperation, without which this concert would not have been possible.

Daniel Harding


2011-04-25 18:12 この記事だけ表示

 3月11日以来、福島原発の放射能を怖がって、外国人アーティストの来日公演が軒並みキャンセルになる中、当然ドミンゴの来日も心配された。実際に、今回共演予定だったソプラノのアナ・マリア・マルティネスもキャンセルになってしまい、代役としてアルゼンチンのソプラノ、ヴァージニア・トーラが緊急来日となった。しかし、彼にはそんなつもりはまったくなかったどころか、日本の人たちを勇気づけたいと、来日を熱望していたとのことである。ドミンゴ自身、1985年のメキシコ大地震を経験しており、その時の義援活動を振り返り、「音楽が出来ることは小さいかも知れないが、少なくとも音楽に触れている時は幸せな気持ちになることができるはず」と語っていた。

 今回の公演は2回だけということもあり、チケットは売出しと同時に完売、ネットオークションにもまったく出ないほどのプラチナ・チケットとなっていた。数年前まで超一流のテノール歌手として世界中のオペラハウス立っていた彼も今年の1月で70歳。最近は指揮者としての活躍が多く、オペラ歌手としては、「シモン・ボッカネグラ」のタイトルロール役バリトン歌手として世界中を廻っていた。さらに昨年は大腸癌の手術をするなど、健康面の問題もあり、最後の来日公演になってしまうかとファンが殺到したのも無理のないことであろう。

 しかし、プログラムが進むに連れ、3,600人の満員の聴衆はそんな心配は無用だったということを知るのである。独特の甘く艶があって張りのある美声、高い芸術性は100%健在で、会場は素晴らしい歌に引き込まれていった。

 純粋にテノールのアリアと言えるのは、「微笑みの国」の“君こそわが心のすべて”と「トスカ」の“星は光りぬ”くらいで、「アンドレア・シェニエ」の“祖国の敵”を始めバリトンのアリアやバリトンとソプラノの2重唱、後半はミュージカル、サルスエラからのナンバーとなった。さらに当夜、1番高い音だったのはAs(ラの♭)だった。しかし、偉大なオペラ歌手、稀有なアーティストであるドミンゴにとってテノール、バリトンという区分など些細な問題であることを改めて思い知らされたのである。アンコールの1曲目は被災地の方に向けて「ふるさと」を日本語で歌ったのだが、会場中から感動してすすり泣く声が聞こえてきた。超一流の歌手にとって、言葉の壁というものは存在しないのであろう。そして、6曲にも及ぶアンコールでは、1曲ごとにスタンディングオベーションとなり、嵐のような拍手がいつまでも鳴り止まなかった。

(文:上月光)

 次の日本公演は歌手としてか、指揮者としてか、どちらで来日かはわからないけれどもこれからも日本に来て、私たちに音楽のすばらしさを伝えてほしいと心から願います。


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2011-04-12 19:05 この記事だけ表示

 武将のような威風堂々とした存在感。漆黒の瞳。カメラを向けると、ポーズが気恥ずかしいのか、無邪気に笑い出す。素顔のツァオ・チーを垣間見た。
 5月に英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団で来日する、映画「小さな村の小さなダンサー」の主演ダンサー、ツァオ・チー。今回上演される作品や今後の活動について熱く語ってくれた。



――ピーター・ライト版『眠れる森の美女』の特徴は?

 最近は古典作品でも舞台装置や衣装が、簡素化される傾向がある中、ライト版の『眠れる森の美女』は豪華絢爛で、古典バレエの贅を尽くした演出を楽しんでもらえると思います。

――王子役を踊るために、ご研究されたりしますか?

 最初の頃は、役柄、歴史などについて勉強しましたけど、今は何度も踊っているので、王子を演じるというより、王子そのものになっているという感じです。

――フレデリック・アシュトン振付の『真夏の夜の夢』の妖精の王オベロン役について伺いたいのですが?

 アシュトン作品は、ステップが細やかで、とても難しいです。アシュトンから直接振り付けされた、アンソニー・ダウェルから教わりました。アンソニーとは<回転が左利き>という共通点もあり、アシュトンの精神をたくさん伝授されました。

――英国スタイルのバレエの特徴は?

 英国スタイルのバレエにとって最も大事なのは、物語があること。動きは、物語を伝えるためにある。そして、「品格class」と「エレガンス」。作品はただの動きの連続では無いのです。私は、動きだけでは伝わらない、その伝統を次世代に受け継ぎたい。

――最後に、今、興味のある振付家は?

 振付家というより作品に興味がありますが、フォーサイスは踊ってみたい。あと、ブルノンヴィル(註)。自分は、跳躍や回転などの派手な技術で注目されるけど、もっと繊細で、内容の豊かな表現にも挑戦したい。もちろん、ブルノンヴィルの動きはシンプルだけど、肉体的にはとても厳しいものですけれどもね。


 今後のツァオ・チーの活動の展開に、期待が高まる。

 最後に、このインタビューは2011年3月11日の3時過ぎ、まさに大地震の直後、余震の続く中行われた。ツァオ・チーはじめ、通訳、カメラマン、皆動じることなく淡々と進めてくれた。そして、NBSの皆様にもあの非常時に、取材を進めさせてくださったことに、心から感謝したい。


註:オーギュスト・ブルノンヴィル(1805年生、1879年没)デンマークのロマンティックスタイルのバレエを代表する振付家


(文:池田愛子/写真:坂野 則幸)


2011-04-07 17:16 この記事だけ表示


(C)EMI classics

 当代随一のフルーティスト、エマニュエル・パユが「歌手」に大変身?! 《椿姫》《魔笛》《カルメン》といった、誰でも一度は耳にしたことのあるオペラの名曲の数々を、“キング・オブ・フルート”が華麗に「歌う」。



 エマニュエル・パユは、いまさら紹介するまでもないのでは? と思えるほど、クラシック音楽ファンのみならず、幅広くその名を知られる、フルート界の帝王だ。
 世界最高のオーケストラのひとつであるベルリン・フィルの首席フルーティストとしての活動に留まらず、協奏曲のソリストとして、また、室内楽のメンバーとして、そして、ソロのリサイタルと、多彩な活動を繰り広げている。
 ここ数年は毎年かかさず来日し、私たちにフルートの奏でる音楽の楽しさと美しさをたっぷりと味わわせてくれている彼が、これまでとはまたひと味違うフルートの魅惑の世界へと私たちを誘う。
 [華麗なるオペラ・ファンタジー]と銘打たれた今回のリサイタルは、昨年リリースしたCD『ファンタジー〜オペラ座の夜』収録の作品を中心に、華麗なるオペラの世界をフルートで表現する一夜。
 オペラのなかで実際に演奏される超絶技巧を駆使するフルートのパッセージのみならず、名アリアの数々を「歌手」になりきって、いや、時に歌手以上の多彩な表情で、オペラの登場人物たちの切々とした悲しみや溢れる楽しさを、華麗な音色で、「歌い」、「描く」。
 CDの演奏を聴いているだけで、まるで本当にオペラを観ているような錯覚に陥り、目の前にオペラの舞台が浮かんでくるから不思議だ。これぞ、まさに「ファンタジー」! それが今回は生の演奏で、しかも、ひとつのオペラではなく、いくつものオペラを一夜にして楽しめる。モーツァルトの《魔笛》やビゼーの《カルメン》からのヴァリエーション、そしてヴェルディの《椿姫》の名アリアの数々など、そのオペラの「いいとこ取り」だから、なんとも贅沢だ。
 幼少期からオペラに夢中で「《魔笛》や《カルメン》《椿姫》など、今でも忘れられない」というほど、パユにとってオペラはとても身近で大切なものだという。そんな彼が満を持して披露するオペラの世界。きっと誰もが、彼の「魔法」にかけられてしまうことだろう。


(文:唯野正彦)



【CD情報】
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番 / 管弦楽組曲第2番 他(TOCE-55208)
演奏: パユ(エマニュエル), クスマウル(ライナー), ベルリン・バロック・ゾリステン, ショルンスハイム(クリスティーネ), ファウスト(ゲオルク)

2011-03-31 12:13 この記事だけ表示

 新シーズンは、楽団の創設40周年という節目を迎える年ということもあり、「オーケストラ」そのものにスポットライトをあて、昨年同様、少数精鋭の指揮者陣とオーケストラが、密な関係を築くことに重点が置かれている。そのため、普段なかなか演奏できない大がかりな作品や色彩豊かな管弦楽曲を中心に、オーケストラの醍醐味を味わえるプログラミングとなっている。

【2011/2012シーズン公演の連続券は5/15(日)より発売予定】
↓新日本フィルハーモニー交響楽団のチケット情報

チケット申込

トリフォニー・シリーズ

■アルミンクのブルックナーとマーラー

 音楽監督のアルミンクはオープニングでブルックナーの交響曲第7番を取り上げる(#482)。これは、それまでアルミンクが行ってきたマーラー・チクルスと対をなすものとして意識的に取り上げるもの。アルミンク自身「非常に美しい作品」と語る、叙情的な作品だ。
 一方、マーラーは《嘆きの歌》を指揮する(#494)。マーラー初期の作品だが「これぞマーラーと私たちが感じるであろう要素がすでにふんだんに盛り込まれている」秀作。大編成で演奏も難しく、なかなか生演奏の機会が少ない、貴重な公演だ。
 《七つの封印を有する書》が好評だったフランツ・シュミットの作品から今度は交響曲第2番を披露(#486)、チェコ音楽の普及に尽力するアルミンクの思い入れ強い、スークとヤナーチェクも楽しみ(#492)。

■ハーディングの“十八番”マーラー9番

 今シーズンからMusic Partner of NJPに就任したダニエル・ハーディングは、名刺代わりと言ってもよい、得意とするマーラーの交響曲第9番をひっさげ再登場(#487)。オーケストラ作品の究極とも言うべきR.シュトラウス《英雄の生涯》ではどのような色彩を描くのか、こちらも期待が高まる(#497)。

■メッツマッハーの描くクラシック音楽の王道、ブラームス

 昨年、衝撃的な名演を生み出したインゴ・メッツマッハーが再び登場。新日本フィルからドイツ的な重厚な響きを引き出した手腕が、名曲、ブラームスの交響曲第1番で再び炸裂する(#485)。



■フランスの鬼才スピノジお得意のモーツァルト

 ジャン=クリストフ・スピノジも再登場だが、前回公演時、オケとの相性が非常によかったことから即座に再登場を依頼し実現したとのこと。得意とするモーツァルトのほか、こちらも名曲《新世界》をどう料理するのか、興味は尽きない(#490)。

サントリーホール・シリーズ

■幅広いレパートリーを誇るアルミンクの色彩感あふれるプログラム

 サントリーホール・シリーズでのアルミンクは、特に管弦楽の色彩感あふれる作品を多くとりあげる。
 まず、幕開けはワーグナー《ニーベルングの指輪》管弦楽版。コンサート・オペラシリーズで度々ワーグナーを取り上げたアルミンクが、今度は「究極のオーケストラ・サウンド」でワーグナーの魅惑の世界へと誘う(#483)。
 また、こちらも輝かしいサウンドを堪能できるレスピーギ《ローマの松》(#493)、アルミンク自身世界初演を指揮し「オーケストラの色彩を生み出す力は目を見張るものがある。演奏は難しいが、すばらしい作品で、日本に紹介できるのを楽しみにしている」と語る、フランス現代作曲家、エスケシュのヴァイオリン協奏曲(日本初演)も楽しみ(#495)。
 このほか、ハイドンのオラトリオの大作として知られる《十字架上のキリストの最後の七つの言葉》のもととなった管弦楽版も披露する(#489)。

■機知に富んだメッツマッハーのプログラミング
メッツマッハー

 ベートーヴェン、アイヴズ、ショスタコーヴィチと、政治的な意味合いの濃い作品を3つ並べた公演は、メッツマッハーらしい知的なプログラミング。なかでもショスタコーヴィチ交響曲第5番では昨年私たちを驚かせた以上の、精緻な演奏が期待される(#484)。

■デンマークの名匠ダウスゴー、待望の来日

 以前からアルミンクが招きたい指揮者リストに入れ、来日を熱望していたという新日本フィル初登場のトーマス・ダウスゴーは、デンマークの名匠。得意とする北欧ものから、シベリウスとニールセンを披露、新日本フィルとの新たな伝説を作る(#491)。

■ハーディングが自信をもって披露する自国の作曲家エルガー

 アルミンクについで多く指揮台にあがるのがMusic Partner of NJPのハーディング。彼が満を持して披露するエルガーの交響曲第2番は、イギリス音楽のなかでも大作かつ名曲と言えるだろう。しかし、なかなか演奏機会に恵まれず、名演も少ない。ハーディングのイギリス人としてのプライドがここで決定的名演を生むことは想像に難くない(#496)。
 また、これまでたびたび共演を重ね息のあった名演を聴かせるピアニスト、ラルス・フォークトとのチャイコフスキーのピアノ協奏曲は楽しみだが、それ以上に期待を持たせるのがストラヴィンスキー《ペトルーシュカ》。なんと!ラルス・フォークトが協奏曲だけでなく、《ペトルーシュカ》にもピアノで参加するという豪華版だ(#488)。

(文:唯野正彦)


【2011/2012シーズン公演の連続券は5/15(日)より発売予定】
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フランス・ブリュッヘン指揮「ベートーヴェン・プロジェクト」開演迫る!!

2011-03-31 12:05 この記事だけ表示


この度の東北地方太平洋沖地震で被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。 また、一日も早い復興がなされることをお祈り申し上げます。

主催よりお知らせです。
東日本大震災の影響により、来日できなくなったアーティストの変更やプログラムなどについては現在調整中となります。 変更後の公演には、既に購入したチケットで入場できますが、払い戻しの対応についても準備中です。
最新情報は、公式HP(http://lfjn.jp/lfjn2011/)にてご確認ください。

フランス発、日本で進化し続ける奇跡の音楽祭が今年も新潟を熱狂させる!

 1995年にフランスの港町ナントにて誕生したラ・フォル・ジュルネ(LFJ)は、今までのクラシック音楽の常識を覆した、まったく新しい音楽祭です。

 アーティスティック・ディレクターのルネ・マルタンが創出したのは、この世でもっとも驚きに満ちたクラシック音楽の宝石箱。その勢いはフランス国外にも拡がり、2005年に東京、2008年に金沢、そして、2010年に新潟とびわ湖に上陸しました。

 今年2回目の開催となる新潟のLFJは、ベートーヴェンをテーマ作曲家に掲げ、より魅力的にパワーアップします!


開催概要

ラ・フォル・ジュルネ新潟 「熱狂の日」音楽祭2011


【テーマ】ウィーンのベートーヴェン

【日程】
■プレ公演:5月1日(日)〜5月5日(木・祝)

>5月1日(日)〜5月5日(木・祝)  公演スケジュール

■本公演:5月6日(金)〜5月8日(日)

>5月6日(金) 公演スケジュール

>5月7日(土) 公演スケジュール

>5月8日(日) 公演スケジュール


【会場】りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)[コンサートホール/劇場/能楽堂]、新潟市音楽文化会館/燕喜館/旧齋藤家別邸ほか


ラ・フォル・ジュルネの魅力

★1公演約45分で、いくつものプログラムをハシゴできる!

★一流の演奏が低料金で楽しめる!

★無料公演や花絵イベントなどもご家族と一緒に楽しめる!

★まち全体音楽であふれた「お祭り」ムード一色に!


ラ・フォル・ジュルネ新潟の開催に寄せて

 昨年のラ・フォル・ジュルネ新潟の成功には、驚きました。
会場に入った途端に、家族連れ、若者たち、子供たち、お年寄りといった多くの方々が、親しく音楽を分かち合っている姿を目にしました。全てが喜びに満ち、ラ・フォル・ジュルネの精神がそこにありました。
 新潟はこの素晴らしい音楽の冒険に理想的な場所になるでしょう。今年はベートーヴェンの傑作の数々を、とびっきりの演奏家でお届けします。いっそう友愛に満ちたラ・フォル・ジュルネになることでしょう。 [アーティスティックディレクター ルネ・マルタン]

■プレ公演

>5月1日(日)〜5月5日(木・祝) 公演スケジュール

■本公演

>5月6日(金) 公演スケジュール

>5月7日(土) 公演スケジュール

>5月8日(日) 公演スケジュール


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e+CLASSIX特集★ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2011
2011-03-25 13:15 この記事だけ表示