やっぱりベートーヴェンは凄かった!! 

ショパン、シューマン、マーラー・イヤーの今年、だからこそ原点回帰の表れなのか? なんだか最近ベートーヴェンがとっても熱いのだ。今年から来年にかけ、新日本フィル、東京シティ・フィル、紀尾井シンフォニエッタ、岩城宏之メモリアル・オケがベートーヴェン交響曲全曲演奏を行い、NHK音楽祭は「偉大なる三大B」と題し、ベートーベンを取り上げる。なかでも、古楽界の巨匠フランス・ブリュッヘンが新日本フィルと挑む演奏会は、練習から本番まで、およそ一ヶ月以上を指揮者と楽団員がともに過ごしベートーヴェンに没頭するという、入魂のプロジェクトだ。


いつの時代も革命を起こすのは新日本フィル

 今年3月に惜しまれつつも閉館してしまった日本初の室内楽専用ホール「カザルスホール」で、かつて新日本フィルは、4年間にわたり100曲を超えるハイドンの交響曲全曲演奏会を行った。いまなお語り草となっているその画期的なプロジェクトから20年、2009年のハイドン・イヤーには、ブリュッヘンとの「ハイドン・プロジェクト」で聴衆を熱狂させ、今度は「ベートーヴェン・プロジェクト」で聴衆を歓喜の渦に巻き込む。

 クラシック音楽は「再現芸術」だ。作品を演奏するとき、現代の作品をのぞき、そこに作曲家はもういない。あるのは楽譜だけ。楽譜を手がかりに、そこから、作曲家の意図をくみ取り、楽譜という記号からインスピレーションをうけ、自身の音楽感とあわせてそれを表現する。だから、いろんな演奏があっていいと思う。いや、むしろ、そういったいろいろな演奏に触れることができるのが、クラシック音楽の醍醐味だ。
 一方、楽譜の校閲に始まり、作曲家がどのように考え作曲したのかを徹底的に追求し、作曲当時の演奏方法を用い、作品初演時の感動を再現するのもひとつの方法だ。
 ブリュッヘンの目指すところは、作曲当時の演奏方法とオリジナル楽器(古楽器)を用いたオーケストラでの「作品初演時の感動の再現」だった。私財を投じて結成した「18世紀オーケストラ」とのベートーヴェン演奏は、それまでのベートーヴェン解釈に一石を投じるものとして注目を集めた。ハイドン〜モーツァルトというクラシックの伝統の上に革命をもたらしたベートーヴェンを現代に甦らせ、再度革命を引き起こしたのが、他ならぬブリュッヘンなのだ。


およそ一ヶ月以上におよぶスパルタ練習

 厳しい練習で有名なブリュッヘンは、年明け早々、1月中旬には来日し、2月8日の初日まで、徹底的に新日本フィルを鍛え上げる。特筆すべきは、通常ならコンサートの直前2、3日にリハーサルをするのが一般的なところ、ブリュッヘンの指示により、演奏順とは逆に、9番からはじめて1番へと練習するということ。ベートーヴェンをより深く知るためだという。その間、半月以上にも及ぶ。そして、本番前にはもう一度、当日に向けたリハーサルを1番から演奏順に重ねる。
 こうして入念に準備された演奏会だ。真の音楽家であれば、折々に聴衆に何かを発見させてくれる。好き嫌いは分かれるかもしれない。けれども、まずは巨匠が到達した境地に耳を傾けてみようではないか。きっと何か発見があるはずだ。そうでなければ彼は真の音楽家ではない、ということになる。そんなはずはない。ともかく、クラシック音楽ファンにはぜひ聴いてほしいプロジェクトなのだ。

 音楽家自らのコメントを前に、筆者の文章などかすんでしまう。このあとはインタビューを見てほしい。

(文:唯野正彦)


★【関連記事】新日本フィルハーモニー交響楽団 2010-2011シーズン公演はこちら
◆上岡俊之の人物について朝日Globeに詳しく掲載!
2010-09-07 17:24 この記事だけ表示


本場ドイツの歌劇場で音楽監督として活躍する日本人指揮者がいる--読響、N響への 客演などにより、クラシック通の間で噂となっていた現ヴッパータール市の音楽総監 督を務める上岡敏之。ドイツ中西部の街のマエストロが一気にその名を知られたきっ かけは、2007年の手兵ヴッパータール交響楽団との来日公演を前にリリースされた CD、なかでもブルックナーの交響曲第七番でした。一般的な演奏であれば一時間強で 演奏されるこの曲を、なんと一時間半もかけて演奏していたのですから!

実際にリリースされたCDを聴くと単純にテンポが遅いのではなく、指揮者が誠実に楽 譜にあたり、確信を持ってオーケストラを導き、表現した結果だと思わせる演奏でし た。どこをとってもドラマを感じさせ、向かうべき方向がはっきりしているから聴き 手が道に迷うこともない。実に独特だけれど自然な呼吸が魅力的な、そして長大なブ ルックナーは、これまでのどんな名演とも違う、上岡にしかできないだろう音楽だっ たです!

そして実現した2007年の来日公演ではモーツァルト、ベートーヴェンからR.シュトラ ウス、チャイコフスキー、そして注目のブルックナーと、多彩なレパートリーが披露 され、私たちはまたしても驚かされました。モーツァルトはよく歌い、一転してベー トーヴェンでは力強く語りかける。シュトラウスの交響詩では雄弁に語り、チャイコ フスキーの交響曲は振幅の大きいひとつの悲劇として鳴り響く。上岡は決まったやり かたで作品を捉えてしまうのではなく、作品ごとに独自のアプローチをきっちりと創 りあげ、全身全霊でそのヴィジョンをオーケストラに伝え、聴き手に彼独自の音楽を 届けてくれる稀有な指揮者なのです。そして彼がオペラの指揮者であるからか、その 音楽はいつも劇的な雰囲気をまとい、実にスリリングな演奏が楽しめるのです。入念 なリハーサルに加え、舞台では即興的な表情も見せる音楽を聴いたファンは理解した と思います、上岡敏之の本領は舞台にあるのだと。そしてその後、新日本フィルや日 本フィル、そして新国立劇場などに客演してますます上岡の評価は高まり、いよいよ 10月には待望の来日公演が実現するのです。

今度の来日公演で演奏されるのは、オール・ワーグナー・プログラムと今年が生誕 150年となるマーラーの交響曲第五番を中心としたプログラム。 上岡のワーグナーなら、2007年来日公演のアンコールで演奏された「ローエングリ ン」第一幕への前奏曲の美しさや、この4月に日本フィルに客演した際の「パルジ ファル」「トリスタンとイゾルデ」抜粋の神秘的陶酔に満ちた響きを覚えている方も 多いでしょう。今回はあまり演奏されない「ファウスト」序曲、室内楽的な「ジーク フリート牧歌」に加え、「ニーベルングの指環」からの抜粋と、「上岡のワーグ ナー」を存分に楽しめるプログラムです。
そして上岡敏之が指揮するマーラーは一体どのようなものになるのでしょう?彼自身 が「人間の限界を超えられるぐらいまで音を書けた人」と評するマーラー。交響曲第 五番といえば有名なアダージェットももちろん気になるところですが、マーラーと同 じオペラ指揮者である上岡がこの名曲をどう捉えているのかは実に興味深いところで す…

彼らの来日まであと一ヶ月と迫りました。ぜひ、コンサート会場でお聴きになること をオススメします!

上岡俊之の人物について朝日Globeに詳しく掲載!




2010-09-07 14:12 この記事だけ表示

 今秋、ついに最後の来日を果たす巨匠アーノンクールとウィーン・コンツェントゥス・ムジクス。彼らの来日公演に向けてこの唯一無二のコンビと、アーノンクールの目指した音楽について皆様に紹介していきたいと思います。
 数回に分けた連載の中では、アーノンクールの貴重なインタビュー画像も登場予定!
ぜひご期待ください!

KAJIMOTO


今日における世界最高峰の指揮者の一人、ニコラウス・アーノンクールが目指した理想のアンサンブル――


それまでコレクターの倉庫にしまわれていただけの“骨董品”たちを発掘(ときには修繕)、これらを素晴らしいピリオド(古)楽器として蘇らせ、当時の響きの再現に努め続けた演奏者たち――


そして、この“古楽”というジャンルを今日の位置まで押し上げた伝説的アンサンブル――


それがウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(CMW)である。


T.誕生 〜まずは楽器を探す旅へ…

“音楽が響き合う”〜コンツェントゥス・ムジクス
「コンツェントゥス・ムジクス」の語源は、オーストリア・バロック音楽の巨匠ヨハン・ヨーゼフ・フックスの作品群「コンツェントゥス・ムジコ・インストゥルメンタリス」になぞらえている。
「音楽が響き合う」ことを意味するこの名前は、アーノンクールが目指す、「音楽の対話」にとって必要不可欠な名前であるように思える。彼の言葉を借りれば、18世紀以前における音楽の位置づけは、今日における“綺麗なメロディ”では決してなく、音を用いた“哲学的対話”であったのである。(現代の感覚では考えにくいだろうが、時代によっては、音楽は、例えば数学や天文学などと結びついてとらえられていたこともあった)

1953年アーノンクール家の一室で産声をあげたコンツェントゥス・ムジクス
今から50年以上も前の1953年春、将来を約束されたヴァイオリン奏者であるアリス・ホッフェルナーと結婚したアーノンクールは、その年の秋、数人の仲間たちとともに、古楽についての研究を始める。このときアーノンクール夫妻の家の一室で、後に世界中に知られる世界一の古楽アンサンブルとなる演奏団体が産声をあげたのだ。

1952年〜69年ウィーン交響楽団のチェロ奏者として…
またその前年、ウィーン交響楽団のチェロ奏者に就任していたアーノンクールは、その楽団の仕事で定収入を得るほか、素晴らしい指揮者たちと共演した。それは、ブルーノ・ワルター、クレメンス・クラウス、オットー・クレンペラー、そして、ヘルベルト・フォン・カラヤンとの時代であり、1969年までの17年の間に彼はオーケストラのチェロ奏者としてだけでなく、後に自らが務めることになる、指揮者というものがいかなるものかということを体感したのである。

コンツェントゥス・ムジクスの最初の仕事は、楽器集めだった!
曲が作曲された当時の楽器――ピリオド(古)楽器を使用する、という彼らのアプローチは現実的には大変な困難を極めた。なにせ、それはそれまでどこかの貴族の家に眠っていた楽器をひとつひとつ譲ってもらい、これらの楽器の演奏方法(現代の楽器とは違っている)を研究していく、という途方もない作業だったかからである。ときにはピリオド(古)楽器がオークションに出されることもあり、当時既に顔の知られていたアーノンクールや、妻のアリスが競売に参加すると値が上がってしまうという理由で、顔の知られていない仲間がこっそり競り落とすということも普通であったらしい。こうした楽器探しの旅は実に忍耐強く続けられ、その成果によりCMWはそれによって少しずつ編成・レパートリーを拡大していったのである。


長文、最後までお読みいただき、ありがとうございます!
次回はCMWが誇る驚異的なアンサンブル力の秘密に迫ります!
それでは、暑さに負けず素敵な夏をお過ごしください。


2010-08-17 20:11 この記事だけ表示

ショパン生誕200年、マーラー生誕150周年、そしてシューマン生誕200周年という記念イヤーで盛り上がりをみせる今年のクラシック音楽界。GWに「ラ・フォル・ジュルネ」で大々的に特集されたショパンや、現代のオーケストラ音楽として大人気のマーラーの影に隠れてしまっている感もなくはないシューマンだが、その音楽の魅力は決して劣るものではない。その「シューマン・イヤー」の掉尾を飾るにふさわしい、注目すべき演奏会が開かれる。躍進著しいパーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団によるシューマン交響曲全曲演奏会は、今年その実現が待ち遠しい、筆頭の演奏会だ。


 ドイツ・ロマン主義を最大限に花開かせた作曲家シューマンの書いた交響曲は4曲。そのどれもが名曲だ。にもかかわらず、残念ながら、不当にも評価が低い。それはなぜか?本来、名曲であるはずの音楽が、“正しく演奏されてこなかった”からに他ならない。作品の内に秘める「狂気」と、あまりにも「人間的」な両側面をもつシューマンの交響曲は、演奏者がシューマンと同化することができてはじめて、本来あるべき姿を表現できる。だから、シューマンを心から愛していなければ、その作品を名曲としてわかってもらえるような演奏がなかなかできない。つまり、名演となるのが難しいのだ。しかし、ようやくシューマンの真の姿に触れられる機会がやってこようとしている。
 指揮をとるパーヴォ・ヤルヴィは、まだ40代後半、指揮者としては中堅に位置するが、それでも、ドイツ・カンマーフィル、シンシナティ交響楽団の音楽監督を務め、今年からはパリ管弦楽団の音楽監督も務めるなど、いま最も忙しい指揮者のひとり。なかでも、ドイツ・カンマーフィルとの相性は抜群で、10年がかりのプロジェクトとなった「ベートーヴェン交響曲全曲演奏」は、2006年日本でも披露され、原典に忠実に細部をえぐり出すその演奏は、それまでのベートーヴェン解釈に再考を促すものとして大反響を巻き起こした。そして、ベートーヴェン・プロジェクトをうけ、パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーが新たに取り組んでいるプロジェクトが「シューマン交響曲全曲演奏」だ。

 ベートーヴェン同様、多くの時間を費やし用意周到に準備されてきたプロジェクトだけあって、すでに披露された海外の演奏会では、指揮者だけでなくオーケストラのメンバー全員にシューマンの魂が乗り移ったかのような、まるで火を噴くような推進力と爆発力を伴った予測不可能な演奏で、聴衆を興奮させたという。
 今年没後20年を迎えた指揮者・作曲家のバーンスタインを敬愛してやまないというパーヴォだが、想えば、バーンスタイン最後の来日演奏となった1990年、死を目前に、バーンスタインがそれこそ死力を尽くしてPMFオーケストラを指揮した作品がシューマンの交響曲第2番だった。いまでも、あの、超絶的名演を生んだバーンスタインの指揮姿が脳裏を過ぎるが、バーンスタインの「最後のメッセージ」はきっと、パーヴォにも届いていることだろう。
 演奏される機会が少ないけれども名曲中の名曲と言えるだろう第2番をはじめ、ドイツ・カンマーフィルによる「シューマン交響曲全曲演奏」は、私たちに天才シューマンの新たな魅力を再発見させてくれるに違いない。


2010-08-17 20:01 この記事だけ表示

 ときに、「これってオーケストラよりも凄いんじゃないか!」と思わせる、いや、確信させられる瞬間がある。 それがブラスの響きだ。なかでも、佐渡裕を首席指揮者に擁し、下野竜也といった世界トップレベルの実力派指揮者を 客演に迎えるシエナ・ウインド・オーケストラの演奏には、多くのブラス・アンサンブルと一線を画す、“凄さ”があ る。1999年、CD『ブラスの祭典』で世間をアッ!と言わせ、記録的な売り上げで音楽業界に一大旋風を巻き起こしたシ エナ・ウインド・オーケストラも結成から20年。それを記念し、首席指揮者の佐渡裕を迎え、20周年記念公演を開催す る。

【東京公演】

【神奈川公演】


 横浜みなとみらいホールでの公演は2回。その第1回目は、結成20周年記念キャラクターとして採用された手恷。 虫『火の鳥』をイメージして作曲された新曲(シエナ20周年作曲コンクール優勝作品)の披露と、恒例となった佐渡の トークを交えた『佐渡&シエナの「おもちゃ箱」スペシャル』を中心に、同日開催される第2回目では、「シエナ・カ フェへようこそ!」と題し、佐渡とゲストの楽しいトークを交え思い出の曲を披露。また、インターネット投票での人 気曲は何を演奏するか当日のお楽しみ!

 続くサントリーホールでの公演は、なんと、《カルミナ・ブラーナ》全曲演奏!歌手陣も、佐渡裕との共演を多 数重ね、息のあったところをみせる田村麻子、舞台俳優・作曲家・演出家としても活躍するカウンター・テナー彌勒忠 史、韓流スター歌手、キュウ・ウォン・ハンと役者がそろった。
 師匠である故レナード・バーンスタイン、そして、小澤征爾ゆずりの熱血漢が、ブラスの世界に新たなる伝説をつく る。

【東京公演】

【神奈川公演】


2010-07-20 17:09 この記事だけ表示

 クラシックコンサートに行きたいけど、どういう服装で行けばいいだろう?
 誰もが一度は考え、そしてまた、初心者へのマナーの心がけとして、必ず話題にあがりますが、絶対にこういう服装でなければならないという決まりはありません。クラシック音楽のコンサートが以前よりも生活に密着し身近なものになったことで、比較的カジュアルな衣装で出かけられる方も多くなりました。
 でも、ときには、とびっきりのおしゃれをして音楽を楽しむのもいいものです。まして、それが年に一度の「特別なコンサート」だったら?


極上の音楽を楽しむ大人の社交場

 クラシック音楽の殿堂サントリーホールが誕生して、今年で24周年。その間、ひとときもかわらず毎年開催されているのが、ガラ・コンサート「響」。1986年のオープン以来、毎年その誕生月の10月に、国内外の多彩な顔ぶれが一同に会し祝います。そして「祝祭」にふさわしく、この日ばかりは、演奏者、スタッフはもちろん聴衆も、ドレスや着物、タキシードなどの「正装」で集い、ステージ、客席、ホワイエも色とりどりの華やかさに彩られ、世界一美しい響きに身を包まれながら極上の音楽を楽しむ、大人の社交場となるのです。


トップレベルの演奏家達による「息吹が彩なす魅惑の響き」

 2006年に20周年の節目を迎えた翌07年、21周年という「新しき時を讃えて」以来、毎年指揮をとるのは、“お祭りマエストロ!”井上道義。自ら「役者」を名乗り、斬新な企画と豊かな音楽性で「これほどいろいろな面での「舞台」を経験している指揮者もいまい」と自負するマエストロの掛け声の下、毎回、トップレベルの演奏家達が集うガラ・コンサート、今年のテーマは「息吹が彩なす魅惑の響き」。
 “驚異的なテクニック”を誇るクラリネットのマイケル・コリンズ、チェコ・フィル、ミュンヘン・フィル、ベルリン・フィルの首席を歴任した若き「天才」ホルン奏者ラデク・バボラーク、驚異の指揮者ドゥダメルのもとシモン・ボリバル・ユースオーケストラの首席トランペット奏者をつとめたベネズエラの期待の星フランシスコ・フローレスら、錚々たる木管・金管楽器奏者を中心に、近年クラシック音楽にも果敢に挑戦、マエストロ井上をして、「もっと海外に紹介されるべきピアニスト」だと言わしめる、日本が誇るジャズ・ピアノ奏者、小曽根真らも加わり、協奏曲、アンサンブルを披露します。


ラデク・バボラーク

フランシスコ・フローレス

小曽根真

Michael Collins

スローカー・トロンボーン四重奏団

高木綾子

 司会は、舞台やテレビで大活躍の女優、若村麻由美。日本一のお祭り指揮者、井上道義とも息のあった楽しい掛け合いが、舞台をさらに盛り上げます。


井上道義

若村麻由美
 

 そして、最後は舞台と客席が一体となり、エルガーの《威風堂々》の大合唱でフィナーレを飾る、贅沢な一夜。
 思い思いに着飾り、夫婦で、家族で、そして恋人同士で、出かけてみては?きっと忘れられない「記念」の日となることでしょう。

2010-07-13 16:22 この記事だけ表示

 皆さんは14歳の天才ピアニスト「小林愛実」をご存知ですか?

 日本のみならず世界で今最も注目を集める14歳の天才ピアノスト、小林愛実のピアノリサイタルがいよいよ横浜で開催されます!



 小林愛実は、数々のコンクールの最年少記録を次々更新、ニューヨーク・カーネギーホールでの3度に渡る公演や、ポーランドにおけるショパン・フェスティヴァルへの出演をはじめ、パリ、モスクワ、ブラジル等国際的な演奏活動、サントリーホールで女性ピアニストとして最年少記録(最年少は昨年のニュウニュウ12歳)となるリサイタル、そして世界最古の老舗レーベル「EMI CLASSICS」からのCDリリースと14歳とは思えない驚異的なキャリアを積み続けています。

 その演奏はまさに圧巻の一言!滑らかで淀みのないタッチから奏でられる一つ一つの音はまるで宝石のように粒だっており、その音列を聴いただけで並みの才能ではないことが感じとることができますが、さらに素晴らしいのはその表現力!小さな身体を目いっぱい使いきって放たれるその音楽は14歳であることを忘れてしまうほど躍動的、かつ感動的。

 その演奏に触れたマルタ・アルゲリッチは「私が同じ年だったころよりすごい演奏だった」と驚き海外で会うたびに「アイミー」といって抱きしめてくれる存在です。またエフゲニー・キーシンも「素晴らしい才能とプロフェッショナリズムがとても印象的」と絶賛し、彼女に直筆の手紙で激励し、その後も交流が続いているなど世界の超一流アーティストからも注目を浴びています。

 これからの日本、いや世界をリードすること間違いなしのピアニスト、小林愛実。「あの時聴いておけば…」などということにならないようにお気をつけください!


小林愛実 ピアノ・リサイタル

公演日:8/28(土)2時開演

会場:横浜みなとみらいホール

曲目:

<第1部>
ベートーヴェン:
ピアノ・ソナタ 第8番「悲愴」 ハ短調 Op.13
ピアノ・ソナタ 第23番「熱情」 ヘ短調 Op.57

<第2部>
ショパン:
スケルツォ 第1番 ロ短調 Op.20
12の練習曲より
「別れの曲」ホ長調 Op.10-3
嬰ハ短調 Op.10-4
「黒鍵」変ト長調 0p.10-5
マズルカ 第41番 嬰ハ短調 0p63-3
ワルツ 第14番 ホ短調(遺作)
バラード 第1番 ト短調 Op.23



2010-07-05 18:53 この記事だけ表示

「せんくら」って知ってる?今年こそ(も)、 仙台の一大フェステバルを体感しよう!!
 クラシック音楽をカジュアルに楽しめる"お手軽な値段"" 名曲尽くし"" 親しみやすい"フェスティバル、それが<せんくら>の愛称もすっかり定着した<仙台クラシックフェスティバル>!お好きな時間、お好きな場所で、フェステバルをどう楽しむかはあなた次第!
初開催から早5年。いまや楽都仙台の顔となった<せんくら>が、今年も音楽好きのわがままな夢をかなえる!

>10月1日(金) 公演スケジュールはこちら
>10月2日(土) 公演スケジュールはこちら
>10月3日(日) 公演スケジュールはこちら


せんくらって何?

◆仙台の街がクラシック音楽に溢れる3日間に変身!
◆たくさん「はしご」をしたい人は「45分コンサート」、じっくり聴きたい人は「60分コンサート」
◆クラシック界のトップスター達による渾身の101ステージ
◆ご安心ください"お手軽な値段"" 名曲尽くし"" 親しみやすい"フェスティバルです。きっかけは「せんくら」!
◆地下鉄沿線の4施設10ホールで開催するから、お好きな時間、お好きな場所で、「はしご」の仕方は、まるでアイスクリームのトッピング!美味しさ無限大

5年目を迎える今年の特色は?

◆愛すべき名曲コンサート
◆豪華!歴代仙台国際コンクール優勝者たちが集結
◆ご好評につき、今年もオープニング&フィナーレコンサートも開催
◆HAPPY BIRTHDAYショパン&シューマン
◆WEEKEND 大人の時間 心の安らぎ 大人のためのプログラム
◆子どもたちのファーストクラシックもたくさん
◆「せんくら」だから叶ったビッグスター達の夢の競演☆
◆ピアノ、ヴァイオリン以外の楽器にも注目。

>10月1日(金) 公演スケジュールはこちら
>10月2日(土) 公演スケジュールはこちら
>10月3日(日) 公演スケジュールはこちら


せんくら大使 奥田佳道が語る"せんくら"の魅力

 「クラシック音楽をカジュアルに楽しみたい」それも「名曲を」「今をときめくアーティストで」「リーズナブルに」体感したい。しかも「アラカルトや気の利いた小皿を楽しむように」「美味しいものを」「いくつも」「味わいたい」さらに「自分流のチョイスで」「好みの作品やアーティストを」「じっくり聴きたい」スタイルは自由気ままに、思い思いに。でも本物に接したい、という音楽好きの声に応える祝祭の日々──。それが<せんくら>の愛称もすっかり定着した<仙台クラシックフェスティバル>である。愛すべきファンの声を掬(すく)い、熱きライヴを創るようになって早5年。<せんくら>は楽都仙台の顔となった。今年も音楽好きの"わがままな"想いを育み、夢をかなえるべく、101のステージが企画された。記念すべき5周年の今年は、鍵盤の詩人フレデリック・ショパンの生誕200年を祝う年でもある。ショパンだけではない。ドイツ・ロマン派の化身ローベルト・シューマンも生誕200年という、願ってもないアニヴァーサリー・イヤーなのだ。<せんくら>は、もちろん、そうした"旬の作曲家"の響きを逃さない。憧れのアーティストの演奏でショパン、シューマンの楽の音を心ゆくまで味わっていただければ、とのメッセージも込められた。ゆかりのアーティストが勢ぞろい。ギターの福田進一、ピアノの横山幸雄、ドゥヴァイヨン、メジューエワ、三舩優子、仲道祐子。ヴァイオリンの前橋汀子、漆原啓子、川久保賜紀、西江辰郎。チェロの長谷川陽子、遠藤真理、フルートの荒川洋。それにソプラノの鈴木慶江、メゾ・ソプラノの坂本朱、テノールの中鉢聡。指揮の宮本文昭ほか、<せんくら>を好きになったアーティストはほんとうに枚挙にいとまがない。そして……。このフェスティバルのオープニングやフィナーレ・コンサートを担うのが、今年の<せんくら>後にドビュッシーのオペラやリヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」を披露する仙台フィルハーモニー管弦楽団であり、ここへきて益々評価を高めている同フィル正指揮者の山下一史だ。マエストロ山下と仙台フィルは、仙台国際音楽コンクールの重要なパートナーでもある。つまり<せんくら>は、仙台の音楽シーンを美しく映し出す場でもあるのだ。その仙台国際音楽コンクールから羽ばたいた内外の才媛、俊英も、もちろん<せんくら>のステージを彩る。みんな、嬉々として楽都仙台に帰ってくる。10月1、2、3日に開催される、楽しみ無尽蔵の第5回「仙台クラシックフェスティバル2010」。しかし、誤解を恐れずに申せば、この祝祭の日々は完成も完結もしていない。101のステージをどう楽しむかは、私たち聴き手に委ねられている。やはり生誕200年を迎えたショパン尽くしでしょう、という声が聞こえてくる。オーケストラから室内楽、小品の名曲探訪をお考えの方も多そう。小粋なジャズやラテンの響きに酔いしれたい派も大歓迎。ブラス三昧も、お気に入りのアーティストを追いかけるのもまた素敵──というわけで、聴き手それぞれの流儀で、マイ・フェスティバルを創ってみてはいかがだろうか。<せんくら>で初クラシック、あるいはこれからもっとクラシック音楽を好きになりたい派の方には、トークやナヴィゲーター付きのコンサートもお勧めだ。さあ開演が近い。

せんくら大使 奥田佳道(音楽評論家)

>10月1日(金) 公演スケジュールはこちら
>10月2日(土) 公演スケジュールはこちら
>10月3日(日) 公演スケジュールはこちら


2010-06-22 13:14 この記事だけ表示
第1回開催から20年あまりを経て、すっかり日本のクラシック音楽界の夏の風物詩となった「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」。病気療養中の小澤征爾総監督のオペラ降板は残念だが、オーケストラコンサートではこれまで評判の高かった得意の曲でまた元気な姿を見せてくれるはずだ。そして、次代を担う新進気鋭の指揮者や演奏家を多数起用するなど、新たな試みにも注目が集まっている。

 サイトウ・キネン・フェスティバル松本は、小澤征爾率いるサイトウ・キネン・オーケストラが中心となって、オーケストラコンサートとオペラ、室内楽など、多彩なプログラムを披露する国際音楽祭だ。今年は、8月10日〜9月10日の32日間開催される。

 現在、世界の第一線でソリストや主要オーケストラのメンバーとして活躍する日本人音楽家のほとんどは、故・齋藤秀雄門下生か、齋藤に薫陶を受けた演奏家の弟子にあたる。彼らが小澤征爾のもと、恩師を偲び結成したサイトウ・キネン・オーケストラはそれゆえ、スーパーオーケストラと言ってもいいメンバー構成で、毎年高レベルの名演を聴かせてくれている。

 そのオーケストラコンサートは今年、3つのプログラムが予定されている。うち2つは、小澤征爾の指揮による公演。2007年にも演奏し評価の高かったベルリオーズの《幻想》、日本を代表する20世紀の大作曲家、故・武満徹の代表作《ノヴェンバー・ステップス》、そして第1回での名演がいまだ記憶に新しいブラームスの交響曲第1番と、小澤がもっとも得意とする曲ばかりが集められている。あわせて、充実著しい若手作曲家、権代敦彦の新作も世界初演される。

 もうひとつのプログラムは、2009年ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝した山田和樹を迎えてのもの。小澤の出発点ともなった同コンクールの優勝者と、ザルツブルク音楽祭など国際的な音楽祭でも活躍するピアニスト小菅優との競演は要注目だ。

 続いて、フェスティバルの要、オペラ。今年はR.シュトラウスの歌劇《サロメ》が上演される。小澤降板で誰が指揮するかに注目が集まったが、現在イスラエル・オペラとラアナナ・シンフォニエット・オーケストラの常任指揮者を務めており、2011〜12シーズンからロリン・マゼールの後任としてバレンシア州立歌劇場管弦楽団の音楽監督に就任する29歳のイスラエル人指揮者、オメール・メイア・ヴェルバーに白羽の矢が立った。

 ヴェルバーは、ダニエル・バレンボイムのアシスタントとしてベルリン国立歌劇場とミラノ・スカラ座で研鑚を積み、イスラエル・オペラではミラノ・スカラ座歌劇場管弦楽団を指揮しての《アイーダ》で絶賛され、今年3月にはベルリン国立歌劇場で《カルメン》で大成功をおさめるなど、今最もその将来が期待されている若手指揮者のひとりだ。いま、おそらく世界最高のシュトラウス歌手デボラ・ヴォイトの表題役とともに楽しみな公演となった。

 また、「武満徹メモリアルコンサート」はその第15回を記念し、アコーディオンのcoba、ギターの渡辺香津美、鈴木大介らを招き、武満徹の映画音楽をジャズやタンゴにアレンジしたコンサートを開催する。

 このほか、詩人谷川俊太郎の朗読による「詩と音楽」など、楽しい催しもいっぱいだ。



2010-06-15 11:24 この記事だけ表示

 若きシェフ、クリスティアン・アルミンクのもと、独自のプログラミングで話題をさらってきた新日本フィルが、来シーズンのプログラムを発表した。なかでも目を引くのが、指揮者陣だ。音楽監督のアルミンク以外の指揮者はたったの3人! しかしこれが凄い。 ダニエル・ハーディング、フランス・ブリュッヘン、インゴ・メッツマッハー。年間24公演のうちの半分をこの3人の指揮者が受け持つが、今シーズンから「Music Partner of NJP」の肩書きをもつこととなったハーディングが、うち6公演を指揮する。これはもう、ヨーロッパの一流楽団に比肩する強力な布陣と言える、画期的なものだ。


これまで年間テーマを掲げ、テーマに添った曲目で私たちを楽しませてくれた新日本フィルだが、今度のシーズンはこれまでとちょっと違う。テーマを掲げる代わりに、新たな試みとして、少数精鋭の指揮者陣で挑む。これは、ともにすごす時間を多く取ることによって「選りすぐりの三人の指揮者をより深く知る機会」を届けたい、というアルミンクの思いから実現したものだ。


トリフォニー・シリーズ

■アルミンクがついに《トリスタン》に挑む

 2003年の音楽監督就任から7年、すでに2012-13シーズンまで契約延長が決まったアルミンクが指揮するなかで最も注目すべき公演が、コンサート・オペラシリーズのワーグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》だ(#480)。2007年の《ローエングリン》の名演がまだ記憶に新しいが、アルミンクが満を持して"辿り着いた"《トリスタン》に否応なく期待がふくらむ。

 オープニングのヴェルディの大作《レクイエム》(#467)も楽しみだが、それ以上に楽しみなのが、ラドゥ・ルプーとの競演だ。抒情性豊かなピアニスト、ラドゥ・ルプーは前回"奇蹟の再来日"と言われながら体調不良による来日中止でファンをがっかりさせたが、今年ついに9年ぶりの来日が実現する。曲はベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番。究極のリリシズムに浸れるはずだ(#468)。

 マルティヌーの交響曲第3番(#476)は、ベートーヴェンの《英雄》交響曲をモデルにした"英雄的"な交響曲だ。ヤナーチェクを得意とするアルミンクがそれと同じくらい好きな作曲家だと公言するだけに、こちらも聴き逃せない。

■ハーディングの若々しいブルックナー

 来日のたびに強烈な印象を残していく俊英ハーディングは、マーラーの交響曲第5番(#474)とブルックナーの交響曲第8番(#478)という大作で再登場する。ハーディングのマーラーは聴くたびにその天才ぶりに驚かされるが、ブルックナーも悪くない。これまでになく現代的で明るいブルックナーに出会えるはずだ。

■ようやく実現する、メッツマッハーとの出会い

 新日本フィルからの長年にわたるラブコールにようやく応えてくれたメッツマッハーは、20世紀から現代までの音楽を得意とし、革新的なプログラミングで注目を集める鬼才としてヨーロッパの楽壇で話題の指揮者だ。マーラーの交響曲第6番〈悲劇的〉(#469)は、サントリーホール・シリーズとつながる"悲劇"の6シリーズ。ここでもその才能を遺憾なく発揮する。

■"あらゆる時を超えてもっとも偉大なる傑作"

 ハイドン・シリーズで聴衆を熱狂の渦に巻き込んだ巨匠ブリュッヘンは、バッハのロ短調ミサ曲で再登場する(#473)。2011年には新日本フィルとのベートーヴェン交響曲全曲演奏会も予定されているが、「ベートーヴェンとバッハは2人の巨人、比類なき偉大な作曲家」と語るブリュッヘンが、全精力を傾けた超絶な名演になるであろうことは疑う余地もない。

トリフォニー・シリーズ

サントリーホール・シリーズ

■アルミンクとソリストたちの競演

 サントリーホール・シリーズは、アルミンクが指揮するツェムリンスキーの《抒情交響曲》で幕を開ける(#466)。マーラーと同時代の作曲家がマーラーの《大地の歌》を意識しつつ創作し、のちに20世紀最大の作曲家のひとりアルバン・ベルクに名作《抒情組曲》を書かせるきっかけとなった、美しい作品だ。

 このシリーズで注目されるのがソリストとの共演だが、なかでもヴィオラのアントワン・タメスティの演奏するクルターク:ヴィオラ協奏曲(#477)に期待したい。いま、ヨーロッパの楽壇で引っ張りだこのフランスの気鋭だ。また、巨匠クラウディオ・アバドとの共演で世界的に有名になったヴァイオリンのイザベル・ファウストは、昨年リリースしたCD「ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集」でその洗練された音楽性にさらに磨きをかけた。今回はブリテンの隠れた名作、ヴァイオリン協奏曲を披露する(#481)。

■メッツマッハーの悲劇

 メッツマッハーは、トリフォニーでのマーラーの〈悲劇的〉を前に、サントリーホールでは、ブラームスの《悲劇的序曲》に続き、チャイコフスキーの交響曲第6番〈悲愴〉。現代音楽を得意とするメッツマッハーの真骨頂が聴けるハルトマンの交響曲も第6番という、なんとも気が利いた絶妙なプログラミングだ(#469)。

■恍惚に浸る、ハーディングの"ハルサイ"と"ベト7"

 現代的で類い希なる音楽性を湛えたハーディングが指揮する《春の祭典》ほど胸躍らせるものがあるだろうか。ベルリン・フィル音楽監督のサイモン・ラトルに多大な影響を受けたハーディングがラトルを超える名演を聴かせてくれるかもしれないと思うと、落ち着いていられないのだ。しかもウェーベルンの〈6つの小品〉にベルリン・フィルの元コンサートマスター、コリヤ・ブラッハーとのベルクのヴァイオリン協奏曲と、20世紀の名曲を集めた豪華なプログラム(#475)。このほか、ベートーヴェンの交響曲第7番では、すべての聴衆を恍惚へと誘うだろう(#479)。

■ブリュッヘンが魅せる、芸術の極み

 2011年2月、ブリュッヘンは新日本フィルとのベートーヴェン交響曲全曲演奏に挑む。通常、コンサートの直前にリハーサルをするのが一般的だが、今回のプロジェクトでは、ブリュッヘンの指示により、9番からはじめて1番へと練習するという。ベートーヴェンをより深く知るためだ。その間、半月以上にも及ぶ。そして、本番前にはもう一度、当日に向けたリハーサルを演奏順に重ねる。こうして入念に準備をし敢行されたプロジェクトのあと、第8番と第9番〈合唱付き〉を再度、定期演奏会で披露する(#472)。「この世に存在した類い希なる作曲家の音楽を是非聴いてください」というブリュッヘンの、渾身のベートーヴェンだ。

サントリーホール・シリーズ
2010-05-14 19:46 この記事だけ表示