「スカラ座に音楽監督が必要だとするなら、ここにその音楽監督がいる」。こう『イル・ソーレ24オーレ』紙に評されたのは、 昨年12月にオープニング公演の『ドン・カルロ』を指揮したダニエレ・ガッティです。

ムーティ退任後のスカラ座において、「次期音楽監督は?」という話題は常に世界中のオペラ関係者、 そしてファンの一大関心事にちがいありませんが、いま、ガッティの名は “候補者リスト”の最上位に挙がったといえるのではないでしょうか。 ガッティはこれまでにもスカラ座で『ローエングリン』『ヴォツェック』で成功を収めてきましたが、この『ドン・カルロ』はスカラ座にとって 特別な作曲家であるヴェルディの作品。このオペラでガッティが高い評価を得たという点で、これまで以上に重要な意味があります。

  ガッティは現在、ロイヤル・フィルとフランス国立管弦楽団の二つのオーケストラの音楽監督を務めていますが、それ以外でも世界の歌劇場、 オーケストラで引く手あまたの活躍をみせています。昨年はバイロイト音楽祭へのデビューを果たし、さらに今夏にはバイエルン国立歌劇場へのデビューも注目 されています。かつて、“若手”指揮者ガッティは、“第二のアッバード”と称されたことがありましたが、いまや彼は、“第一のガッティ”として、世界に認 められる存在となっているのです。



  1961年ミラノ生まれ。ヴェルディ音楽院で学び、27歳の若さでスカラ座デビューを果たしたガッティは、いままさにミラノの、そしてヴェルディの申し子として、スカラ座のオーケストラと合唱団とともに〈ヴェルディ・プロ〉を聴かせてくれるのです。『ナブッコ』の「行け、わが思いよ、金色の翼に乗って」や『アイーダ』の「エジプトの栄光」、『マクベス』の「しいげられた祖国よ」など、オーケストラの輝かしい響きはもとより、 スカラ座の合唱団の圧倒的なパワーが炸裂する本演奏会は、ヴェルディの音楽の真髄を聴かせてくれるのはもとより、スカラ座の次期音楽監督決定を予感させる 記念すべき一夜となるかもしれません。たった一度の本公演をお聞き逃しなく!

>>公演の詳細とチケット申込みはこちら!
2009-04-21 13:49 この記事だけ表示


モーツァルトとヴェルディを歌って現代最高のソプラノは、バルバラ・フリットリである。いや、史上最高のひとりかもしれない。類まれな美声をすみずみまで磨き上げた極上の響きに酔いしれることができる、待望のリサイタルがついに実現する。

 待望のリサイタルである。「待望」は広告宣伝ではお馴染みの言葉だが、この場合、そこらの「待望」とは格が違う。私はバルバラ・フリットリという存在を強く意識して以来、かれこれ十年以上、日本でのリサイタルを待ち望んできたのだ。

 デビュー直後からフリットリはヨーロッパで評判になっていたが、私の耳に彼女の声が強烈に焼きついたのは、1998年に北京の紫禁城で行われた《トゥーランドット》の映像を観たときだった。彼女のリュウは麗しい容姿もさることながら、一声聴いただけで美しすぎるほどの響きにハッとさせられた。録音なのに倍音がビンビンと伝わってくるほどの響きで、登場の場面でいきなり、極上の絹のようにキメが細かい珠玉のピアニッシモに打ちのめされてしまった。隅々まで完璧にコントロールされた美声で、なんと音楽性豊かで、なんと情感があふれているのか――。

 私は生で彼女の声が聴きたくなり、以来、ヨーロッパに行く際にはまず、フリットリのスケジュールを確認して、極力合わせるようになった。こうして、スカラ座で2000年にヴェルディの《イル・トロヴァトーレ》のレオノーラを、01年には同じくヴェルディ《オテッロ》のデズデーモナを聴くことができたが、天性の美声を知的に制御した歌は、響きの美しさはもちろんのこと、たしかなフォーム、行き届いたフレージングで抜きん出ていて、その結果として、ヒロインの心のときめきも、悲しみも、十二分に表現され、私は感動の嵐に襲われた。03年にはトリノで、やはりヴェルディの《シモン・ボッカネグラ》のアメーリアを聴いたが、臨席の老女が「アメーリアが素晴らしい」と、涙を流さんばかりに興奮していたのが忘れられない。そして上記3役について、私は古今東西、フリットリ以上の水準で歌った歌手を知らない。

 その翌年、フリットリはナポリのサン・カルロ劇場の引越し公演で事実上の初来日を果たし(学生時代に来日したことがある)、ヴェルディ《ルイーザ・ミラー》のタイトルロールを歌い、それ以来、フィレンツェ歌劇場のヴェルディ《ファルスタッフ》やウィーン国立歌劇場のモーツァルト《コシ・ファン・トゥッテ》などで、たびたび来日してくれるようになった。ファンとしては、なんとも嬉しいかぎりだが、リサイタルだけはまだ実現していなかった。

 フリットリのレパートリーの中心はモーツァルトとヴェルディである。モーツァルトには、歌唱表現の基本から応用までのすべてがあるから、基本に戻るという意味でも、声のみずみずしさを保つためにも、ヴェルディを歌いながら、常にモーツァルトに帰る――。以前、インタビューした際、フリットリはそんなふうに語った。その両方を、しかも、さまざまな作品に跨って聞きくらべることができるリサイタルとは、これはもう夢のようである。

香原斗志(かはら・とし):音楽ジャーナリスト、オペラ評論家。オペラのわかりやすい解説と、声の分析に定評がある。公演プログラムや雑誌等への執筆多数。著書に『イタリアを旅する会話』。


>>公演の詳細とチケット申込みはこちら!
2009-04-01 17:08 この記事だけ表示
ラヴィア、ルイゾッティ、そして適材適所の歌手たち。躍動感あふれる、これぞ求めていたモーツァルト!
走、攻、守の三拍子が揃った野球選手になかなかお目にかかれないように、 指揮、歌手、演出の三拍子が揃ったオペラ上演に出会うチャンスは少ない。 どの方向から評価しても隙がないパフォーマンスは、理想ではあるけれど稀有である。 数少ない例は、野球ならさしずめイチロー選手だろうか。では、オペラなら?  私は真っ先に、昨年のホール・オペラ《フィガロの結婚》を挙げたい。


ホール・オペラ「フィガロの結婚」より

続きを読む
2009-03-31 17:07 この記事だけ表示
さきごろマーラーの大曲、交響曲第2番「復活」で意欲的な演奏を行った西本智実が、今度はイギリスの名門ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とマーラーの第5番を演奏する。

 世界的にみても珍しい女性指揮者にあって、西本智実は国際的に活躍する数少ないひとりだ。某クルマメーカーのCM(曲は《新世界から》)で華麗な指揮姿を披露しているあの指揮者、といえばおわかりになるだろう。

 西本智実を語る上でその流麗な指揮姿をはずすわけにはいかない。指揮者は唯一音を出さない演奏家だ。それゆえ、演奏される音楽に指揮姿の華麗さなど関係ないと思われるかもしれないが、じつはそうでもない。指揮者が考える音楽をいかにオーケストラに伝えるか、それが指揮者にとっては一番重要だ。であれば、指揮ぶりは流麗であるほうがよりよい。20世紀の名指揮者カラヤンしかり、小澤征爾しかり、みなその音楽性はもちろんのこと、華麗な指揮棒さばきを抜きには語れないのだ。

 サンクトペテルブルク音楽院に留学、世界的な指揮者ヴァレリー・ゲルギエフと同じイリヤ・ムーシンに師事した西本は、デビュー以来、一貫してロシアを拠点に活動、近年その活躍はロシアだけにとどまらずヨーロッパ各地に広がっており、今回、イギリスの名門オーケストラの来日公演で指揮を任されるなど、いま最も期待されている若手指揮者といえる。



 プログラムは、マーラーの交響曲第5番を中心にしたもの。3月には、『西本智実、マーラーと向き合う!』と題し、マーラーの交響曲第2番「復活」を演奏したばかりだが、集中的にマーラーを取り上げるとあって、新境地を切り開いた西本の渾身のマーラーが期待される。さらにワーグナーの楽劇《トリスタンとイゾルデ》から〈前奏曲と愛の死〉、「のだめ」ですっかりクラシックの名曲として定着した感のあるベートーヴェンの交響曲第7番、ロンドンに生まれ、ヨーロッパで活躍するピアニスト、フレディ・ケンプを招いてのモーツァルトのピアノ協奏曲第20番、と意欲的なプログラムがならぶ。ケンプは8歳からロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と共演しており、気心の知れた仲間による演奏にも期待が持てる。
 常に完売・超満員という人気指揮者が名門オケと競演するとあって、今回も発売と同時に売り切れ必至だ。



>>公演の詳細とチケット申込みはこちら!
2009-03-30 18:51 この記事だけ表示
 清塚信也は、おそらく、日本で一番多くの方が耳にしているピアニストではないだろうか。 彼の名前を知らない人でも、ドラマ『のだめカンタービレ』や映画『神童』『天国はまだ遠く』なら知っているのでは?
 そう、あの人気を博したテレビドラマ『のだめカンタービレ』で千秋真一の吹き替え演奏をしていたピアニストこそ、清塚信也なのだ。
 映画『神童』では、松山ケンイチ扮する和音の吹き替え演奏を行い、自らも講師役として出演するなど、クラシックコンサートのみならず、映画、テレビドラマ、コマーシャルなどでもマルチな活動を展開、作曲もこなすなど、その多彩な才能でいま注目度ナンバーワンのピアノ界の若手ホープだ。その端整な容姿からピアノの“貴公子”との異名をもつ。

 彼のコンサートの人気の秘密は、演奏の合間にある「語り」にある。3月下旬には、その語りをまとめた自身初の著書『ショパンはポップスだー清塚信也のクラシック案内 (CD付き) 』(世界文化社刊)を上梓する清塚が、得意とするショパンの作品を織り交ぜ独自の視点で綴るピアノ名曲史、それが「ピアノ・クロニクル2009」。

 演奏されるのは、『神童』で松山ケンイチ扮する和音が弾いたベートーヴェンの《熱情》から「第3楽章」、『のだめカンタービレ』で千秋真一が弾いいたベートーヴェンの《悲愴》から「第2楽章」、そして、ショパンの《雨だれ》《舟歌》リストの《愛の夢》、ガーシュインの《ラプソディ・イン・ブルー》といった、ピアノの名曲ばかり。

 演奏の合間には、曲の成り立ちや作曲家にまつわるエピソード、そして、曲に向かうときの気持ちといった話題で、時には冗談を交えた軽妙な語りがあり、清塚の表情豊かでダイナミックな演奏と相まって、本格的なクラシック音楽の魅力を肩の力を抜いて堪能できるのが魅力だ。



>>公演の詳細とチケット申込みはこちら!
2009-03-27 12:39 この記事だけ表示
今回持ってくるのはヴェルディ円熟期の傑作「アイーダ」と「ドン・カルロ」の2演目。 ムーティがスカラ座を去ってから初めての来日公演で、音楽監督候補の2人、現時点で のスカラ座のエース指揮者とも呼ぶべきバレンボイムとガッティの対決も楽しみ。

20090312_01.jpg
6年ぶり6度目の来日公演のスカラ座だが、いつも最も旬で自信作を引っさげての来日な ので、今回も大いに期待できる。このオペラを見ずして2009年のオペラシーンは語れな いであろう。
続きを読む
2009-03-13 13:09 この記事だけ表示
ベルカント・オペラからフランスもの、ヴェリズモ・オペラまで、本物のベルカント・オペラのテクニックを魅せる2人に期待は高まる。



続きを読む
2009-03-12 15:50 この記事だけ表示

「トスカー」撮影:三枝近志

オペラやバレエに少しでもふれ、その魅力に取り憑かれたなら、もっと観たい、楽しみたいと思われることでしょう。でも、次に観るのはどれがいいのかわからない、とお思いの方も多いのでは? そんな方にお勧めしたいのが、新国立劇場のシーズン・セット券です。高水準の舞台を、一般発売にさきがけ優先的に、しかも、お得な料金で、多岐にわたるセットのなかからライフスタイルにあわせて選べるのが魅力です。
続きを読む
2009-02-27 14:46 この記事だけ表示
ハイドン没後 200年記念 ハイドン・イヤー最大級のプロジェクト!! 新日本フィルハーモニー交響楽団 フランス・ブリュッヘン・プロデュース  “ハイドン・プロジェクト”ロンドン・セット全曲演奏会

【大絶賛の嵐!!】絶好調開催中!新日本フィルハーモニー交響楽団 フランス・ブリュッヘン・プロデュース “ハイドン・プロジェクト”ロンドン・セット全曲演奏会 最終回は【フランス・ブリュッヘン インタビュー】をお届けします!

大盛況開催中のHAYDN PROJECT!!
最終回は最終公演目前!ブリュッヘン氏のインタビューをお届けします。


>> 動画インタビュー

そしてイープラスでは最終2月28日(土)公演を当日引換で販売中!!

まだ間に合う!これが最後のチャンス!!ブリュッヘンのハイドンを聴き逃すな!!


>>公演の詳細とチケット申込みはこちら!

2009-02-25 15:32 この記事だけ表示


スピードと華麗さを売り物にする世界最高のオーケストラ、ベルリン・フィルをポルシェに喩えるなら、 ベルリン・ドイツ交響楽団は、機能的で現代的なBMWだ。ケント・ナガノとともにたびたび来日し熱演を 披露してきたベルリン・ドイツ交響楽団が新しく迎えたドイツ人シェフ、インゴ・メッツマッハーとともに、 得意のドイツ・オーストリア音楽ばかりをひっさげ再来日する。

続きを読む
2009-02-20 22:06 この記事だけ表示